観察日 : 2023年 5月16日(火)、25日(木)、26日(金)、31日(水)

場 所 : 水路付近、大池

生きもの: オオヨシキリ、アオダイショウ、カルガモ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

初夏を教えてくれる鳴き声

 生きものの出現や鳴き声は季節を感じさせてくれます。新横浜公園で初夏の訪れを感じさせてくれるのは、オオヨシキリのさえずり。「ギョギョシ ギョギョシ ギョギョギョ、、、」という、一度聞いたら忘れないような声。ツバメの渡来から一足遅れ、東南アジアの方からやってきて、水辺のアシ原などで繁殖し、秋まで過ごしていきます。

5月上旬、公園内で作業をしていると、「ギョギョシ ギョギョシ」と小さく聞こえてきました。今年も無事に来てくれてよかったと思いながら、鳴き声がする方へ。水路に生えているヤナギから聞こえてきます。しかし、枝葉の茂みの中で鳴いているようで、ねばりましたが、結局姿を見ることはできませんでした。中旬になって、アシやヤナギなどの上の方によく姿を現すようになりました。

巣は、主にアシ原に作り、直径8㎝程度のお椀状。巣材は、細長い植物片を編み込んだような感じです。水路では、2019年に巣を確認(写真参照)して以降、見つけられていませんが、大池では繁殖しているものと思われます。今年も無事に繁殖をしていってほしいですね。

0609①.jpg5月16日 越流提前

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5月25日 排水門付近

0609③.jpg5月31日 メドウガーデン付近

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オオヨシキリの巣(撮影:2019年10月24日)

0609⑤.jpg0609⑥.jpg数日前に遊水地に越流したため、巣の中に泥が入っていました。

芝生で日向ぼっこ?

 散策中、何気なく芝生の広場を見渡すと、細長くくねくねしたものが目に入りました。 「あっ、ヘビだ!」 急いでカメラを取り出してパシャリ。アオダイショウでした。公園内では、時々水路で本種やヤマカガシを見かけますが、芝生で見るのは初めてでした。日の当たる場所にいると、つい日向ぼっこと結びつけてしまいますが、体温を上げようとしていたのかどうか、本当のことは分かりません。

ゆっくり近づいていくと、こちらに気づいたのか、移動し始めました。盛んに舌を出し入れしています。この動作は空気中の匂いを感じるためと言われており、こちらの匂いに気づいたのかもしれません。写真を撮りながら、少し様子を伺っていると、水路の茂みに入っていきました。

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細長くくねくねしたものを発見。(5月26日)

0609⑧.jpgアオダイショウでした。

0609⑨.jpg舌を出すのは匂いを感じるためのようです。

どういう関係?

 越流提前、減勢池のかごマットの上にカルガモが3羽。よく見ると、左の2羽が微妙な距離。左の雄が、右の雌を狙っているが、間にパートナーの雄が防御に入っているのかなと、予想してしまいます。観察をしながらあれこれ考えていると、いつの間にか4羽になっていました。妄想で目の前のことが見えていませんでした。私の勝手な心配は無用だったようで、左の2羽が一緒に歩き始め、減勢池の中へ移動していきました。

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左2羽の微妙な距離(5月31日)

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10分後、1羽増えていました。

0609⑫.jpg左の2羽が一緒に移動開始

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〜新横浜公園ナチュラルガーデン ブログ〜    2023年5月

 

こちらの写真は、ワインディング パス、5月10日の様子です。

左端のバプティシア トワイライトが立派な株に育ってきていて、チョコレート色の花が見頃です。下の方で大きな手毬のような花を咲かせているのは、アリウム クリストフィー。ネギ坊主のように見えるのは、アリウム ギガンチウムです。

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5月26日には、日産スタジアム運営ボランティア グリーン&クリーン部会の皆さんと、ナチュラルガーデンのメンテナンス作業で、除草などを行ないました。ワインディング パスは、今、鮮やかな紫色のアリウム ギガンチウムが揺れて、とても楽しげな景色になっています。

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アネモネ ワイルドスワンは、シュウメイギクに似た花を咲かせますが、今頃から秋まで繰り返し咲いてくれて、裏側のガクが美しい薄紫色です。

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ウツボグサもよく育ち、こんもりと茂みを作っています。よく見ると、蜂がたくさん蜜を吸いに来ていました。

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ボーダーガーデンに移動すると、サルビア ネモローサ カラドンナの花からバトンタッチして、黄色いヘメロカリス フレグラントリターンズが花盛り。黄色からオレンジ色のグラデーションが美しいアキレア テラコッタや、ピンク色のエキナセア パリダも咲いてきました。こちらでも除草や花がら摘みをおこないました。

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銅葉が美しいペンステモン ダークタワーズや、シルバーリーフのラムズイヤーも、たくさんの花を咲かせています。

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最後はロータリーガーデンー。ここでは、カンナの葉が顔を出し、背の高いルドベキア マキシマの黄色い花が咲き始めました。

ボランティアのみなさんは、慣れた様子でヤブガラシやササなどの除草と、ニューサイランの葉のカットをしてくださいました。メンテナンス作業、お疲れ様でした。

ナチュラルガーデンブログ202305 (7).jpg

 

記事作成:貝瀬洋子(studio nazuna)

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芝生観察日記 第131話

芝生観察日記の第百三十一話です。

令和五年5月13日(土)

 

 お待たせしました昨年11月2日以来の更新となります。

 前回の芝生観察日記でご報告した通り、日産スタジアムは5年に一度更新しなければならない日本陸連一種公認を更新するための検定に向けたトラックの改修工事に入っていたため芝生の作業が大幅に制限されていました。特に、12月と1月は月に2回程度しかフィールドに立ち入ることができない状況でした。

 そのような状況を考慮して、昨年の秋は開場以来、初めて冬芝のオーバーシードを行わず冬を迎えました。

 検定は3月10日~3日間の予定で行われ、無事に公認を更新することができました。

 これにより5月21日に開催される「セイコーゴールデングランプリ陸上2023横浜」においてアスリートの皆さんが出した記録が、公式記録として公認されることとなります。好記録を期待しましょう。

 工事期間中の我々に課されたミッションは、2月25日に予定されているF・マリノスのホーム開幕戦に向けて、オーバーシードしていない夏芝を、如何に試合に支障を来さない状態に仕上げるかでした。

 芝生は夏芝のティフトン419なので、通常なら4月上中旬頃から動き出す芝生です。本来、2月25日はまだ休眠中の芝生をプロレベルの試合が開催できる状態に如何に仕上げていくのか難しいミッションでした。

 この間の芝生の変化をご覧ください。

①R4.11.17全景.jpg②R4.11.17ピッチ接写.jpg

 11月17日、暖冬気味だったので緑度を保ち、シートで蒸れて病気の菌糸が出るくらいみずみずしかった。

③R4.12.25全景.jpg④R4.12.25ピッチ接写.jpg

 12月25日、シートとアンダーヒーティングの効果で若干緑の葉は見られるが、年末にはほぼ休眠に入った。

⑤R5.1.18全景.jpg⑥R5.1.18ピッチ接写.jpg

 1月18日、引き続きシートとアンダーヒーティングを使いつつも、さすがに完全な休眠状態で緑度を失った。

⑦R5,2.25開幕全景.jpg⑧R5.2.25ピッチ接写.jpg

 2月25日、期間中は通期で暖冬だったため、想像以上にティフトンが萌芽し、写真のようにゼブラ模様も付いて何とか開幕戦に間に合わせることができた。

⑨R5.3.27全景.jpg⑩R5.3.27ピッチ接写.jpg

 3月27日、開幕から約1ヶ月後、ティフトンはより密度を増加させ夏芝とは思えないほど緑度を増した。

 対外的に課せられた最大のミッションは2月25日のJリーグ開幕戦に間に合わせることでした。加えて重要だったのは、ティフトンを完全な状態のターフに仕上げることでした。オーバーシードとトランジションをしないで、これだけの長期間を夏芝だけで生育させるタイミングはなかなか無いことなので、この機に夏芝を熟成させたかったのです。下の写真は、左側が4月29日の名古屋戦、右側が5月7日の京都戦の全景になります。天気の加減で色味に差はありますが、どちらもティフトンの状態としては過去にないくらいの出来となっています。途中ラグビーの利用もあったため細かい不陸を感じますが大きな問題ではありません。今後の管理によって修正していく予定です。

⑪R5.4.29J名古屋戦全景.jpg⑫R5.5.7J京都戦全景.jpg

 さて、前回の観察日記で工事期間中の状況を報告しますとし記載しましたが、工事期間中は殆ど養生シートが掛っており、いいタイミングで芝生の様子や管理作業を記録できませんでした。それに加えて今回のミッションは我々も初めての経験であり、正直うまく行くのか不安だったのでタイムリーな情報提供は控えてきました。

 昨年からF・マリノスのチーム関係者には迷惑を掛けてきましたが、理解を得ながらやってくることができました。

 今回のミッションでは、肥料のやり方、シートの材質や組み合わせ方、アンダーヒーティングの温度設定など色々な工夫やチャレンジをしてきました。 Jリーグが春秋制から秋春制に移行することが検討されています。これに伴い、各スタジアムの芝生管理にも多少なりとも影響が出てくるでしょう。今回の経験は、そのような変化にも活かせるものだと思っています。

 また、不定期ではありますが引き続き更新していきます。

観察日 : 2023年 4月11日(火)、20日(木)、21日(金)

場 所 : 大池、水路

植 物 : カントウタンポポ、オオジシバリ、サギゴケ、ハナウド、キランソウ、

スミレ、セリバヒエンソウ、チガヤ

動 物 : コサギ、ダイサギ、カルガモ、カワセミ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

  普段、公園内で良く見かける鳥。この時期は、いつもと違う色合いや行動を目にすることができます。コサギの目元はピンク色。ダイサギは青緑色でなんともおしゃれ。羽の色が真っ白なので際立ちますね。

 第2レストハウス近くの水路の様子を観察していると、1羽のカルガモを見つけました。写真を撮ろうとすると、こちらの気配に気づいたのか、手前のセリの葉の隙間にもう1羽の顔がひょっこり出現。2日後、観察に訪れたときは、別の水路で2羽がてくてく歩いて採食していました。同じペアかもしれません。前を雌が歩き、後ろに雄がついていました。無事に巣作り、繁殖してほしいですね。大池では、カワセミのチーッという鳴き声もよく聴かれ、2羽が追いかけるような姿も見られました。雄が雌を求めていたのか、雄同士の雌をめぐる行動だったのでしょうか。

05111①.jpg0511②.jpg

コサギ 目元がピンク色(4/11)       ダイサギ 目元が青緑色(4/21)

嘴(くちばし)は黄色から黒に変わっています。

0511③.jpg0511④.jpgセリが茂る水路で休むカルガモ(4/19)   水路を歩き採食するカルガモ(4/21)

0511⑤.jpg前は雌で上尾筒が褐色。後ろは雄で上尾筒が黒色(4/21)

0511⑥.jpgカワセミ 撮影前に池に飛び込み、魚を捕えていました。(4/21)

春先、足もとに咲く花は、オオイヌノフグリやホトケノザが多く見られました。暖かくなり、様々な花が咲いていますので、一部を紹介します。ぜひ、野草観察も楽しんでみてください。

0511⑦.jpg0511⑧.jpgカントウタンポポ(関東蒲公英) キク科    オオジシバリ(大地縛り) キク科

スクリーンショット 2023-05-12 170728.jpgスクリーンショット 2023-05-12 170751.jpg0511⑨.jpg0511⑩.jpgサギゴケ(鷺苔) ハエドクソウ科

湿った場所に生えるため、水路沿いや、大池沿いで見られます。写真は水路沿いで撮影。一面に広がって見事でした。

0511⑪.jpg0511⑫.jpgキランソウ(金瘡小草) シソ科       スミレ(菫) スミレ科

スクリーンショット 2023-05-12 171249.jpg

スクリーンショット 2023-05-12 183516.jpg

0511⑬4.jpg

セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)        

キンポウゲ科

スクリーンショット1 2023-05-12 174357.jpg

0511⑭4.jpg

チガヤ(千茅) イネ科

スクリーンショット1 2023-05-12 171728.jpg

0511⑮.jpg

ハナウド(花独活) セリ科

鶴見川の上流から下流の川辺に自生。特に小机大橋から亀の甲橋にかけて多く見られます。キアゲハの食草にもなっています。

0511⑯.jpg

〜新横浜公園ナチュラルガーデン ブログ〜    2023年4月

 

4月に入ると色々な花が咲きだして、ガーデンの風景は日々変わっていきます。

初旬にはチューリップ、ベルゲニア(ヒマラヤユキノシタ)、アジュガ'チョコレートチップ'、ヒメライラックなどが咲いて、とても華やかな風景になりました。(4月5日撮影)

ナチュラルガーデンブログ202304.jpgナチュラルガーデンブログ202304(1).jpgナチュラルガーデンブログ202304(2).jpg

 

それから20日ほど経つと、宿根草がぐんぐん伸びて、立体的な風景になってきました。(4月25日撮影)

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 3月にカットバックした黄色のカレックス オシメンシス'エヴァリロ'は、きれいな新芽を出しています。ネギ坊主のような形のアリウム'クリストフィー'は、紫色の花が咲いてきました。これからの季節がとっても楽しみな植物です。ナチュラルガーデンブログ202304(4).jpg

  

花穂の先についたウサギの耳のような形の苞葉(ほうよう)が可愛いフレンチラベンダーも見頃ですよ。

 ナチュラルガーデンブログ202304(5).jpg

 

さて、ボーダーガーデンに歩いて行くと、美しいブルーの花が咲いています。

左がサルビア ネモローサ カラドンナ、右がサルビア クレベランディ(クレベラントセージ)です。

ナチュラルガーデンブログ202304(6).jpg  

ピンク色のタイム ロンギカリウスには、アオスジアゲハが来ていました。

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新横浜公園にお越しの際には、ぜひナチュラルガーデンの春の花もお楽しみください。

 

記事作成:貝瀬洋子(studio nazuna)

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