「世界陸上の舞台裏より ?競技を終えても忙しいメダリストたち?」
このたび、世界陸上2007大阪大会組織委員会の一員として、同大会に参加する機会に恵まれ、「メディアチーム」のスタッフとして参加してまいりました。
★ Moon and Traffie 「夜空に映える月と大会公式マスコット・トラッフィー」
★Nagai Stadium 「最上階の記者席から見た競技開催時の様子」
私の仕事は、チーム内海外スタッフのコーディネーターでしたが、後半は諸事情により、公式記者会見場の管理・運営も兼任することになり、実に貴重な体験を積むことができました。
戦い終えウィニングランをして、TVの取材を終えた選手たちは、例外なく全員ミックスゾーンと呼ばれるトラック後方のスペースに消えていきます。
いったい、そこではどんなことが繰り広げられているのでしょう?
あまり知られていないこのエリアでのアスリートの動向を、紹介してみましょう。
各種目のメダリスト3名は、競技終了後も本当に大忙し。高額な契約金を払い、取材する権利を獲得して来日した、世界各国TV局のインタビューをひたすら受け続けます。特に金メダルを獲得した男子100mのタイソン・ゲイ、男子400mのジェレミー・ウォリナー、男子110Hの劉翔、それに女子棒高跳のエレーナ・イシンバエワといったスーパースターたちは、何十社ものTVインタビューに応じるだけで、30分?40分、あるいはそれ以上の時間を要します(1社につき2分までと決められています)。
そのあとは、リトンプレスと呼ばれるペン記者(新聞・雑誌の取材班)による囲み取材が待っています。メダリストの声を拾おうと殺到するプレスの皆さんの様子には感動を覚えます。やっと、<ポストイベントコントロールルーム> といわれるスペース(普段は器具庫として使われています)に到着、用意されたベンチに腰をかけ、自分の荷物を受け取ったかと思いきや、私ども組織委員会のスタッフが、次の予定を伝えに来るのです。
そう、このあとは、「表彰式」、「公式記者会見」、そしてほとんどのメダリストが「ドーピングコントロールテスト」、といった数々のイベントをこなしていくことになるのです。どの順番に回るか、他種目スケジュールと調整を行うミックスゾーンマネージャーによって即座に決定され、その後も分刻みのスケジュールで、スタジアム内を移動し続けるのです。
おまけに、表彰式でも、記者会見でも、自分の番が来るまで待たされることが多いのです。
23時過ぎまで記者会見が目白押しとなった今回の世界陸上。会見場に出席したアスリートたちの、コメントの合間から見て取れる様子は、もう疲労困憊そのもの。極限状態のなかでの集中力をもって、全力を出し切ったあとですから、やむを得ませんね。
クーリングダウンはそのあと。今大会は「グリーンプロジェクト」事業の関係で、金メダリストにはスタジアム横での記念植樹というお仕事も待っていました。
いやはや、トップアスリートになるには、タフでないといけませんね。
次回は、9月30日(日)に日産スタジアムで開催される「セイコースーパー陸上競技大会2007横浜」の楽しみ方についてです。