みなさん、こんにちは。
「芝生観察日記」の第二稿です。前稿では年末から設置していた養生シートを撤去した後の状況についてお話しましたが、今回はその後再設置したシートを今日(1月21日)12日ぶりに剥がしたのでこの間の変化についてお話したいと思います。
1年中で最も寒い時季とはいえ、みなさんも最近の寒さにはうんざりしているんじゃないでしょうか。それは芝生も同じです。冬芝と夏芝を併用しているスタジアムの芝生は、この時季緑鮮やかな冬芝で覆われています。冬芝=寒地型芝生、その名の通り寒さには強いのは事実ですが、生育適温は15?22℃と言われています。最低気温が0℃前後で最高気温が10℃を割るような日が続くこの時季は生育停滞期で、芝生の状態が悪くなることはあっても、アンダーヒーティング等で加温しない限りは良くなることは殆どありません。ですから、今の時季は3月のJリーグ開幕に向けて最低限の状態を維持するためにシートを掛けます。このシートを掛けることによって芝生表面の温度が2℃程度上がります。シートを設置する目的は二つあり、「保温」と「霜除け」です。詳しくは「芝生とっておきの話(9)」で復習してみてください。下の写真は年明け7日の状況と今回12日ぶりにシートを剥がした21日の状況です。ちょっと見比べて見て下さい。
シートはフィールドを4分割にしたサイズ(1枚が約35m×55m)です。シートが乾いていれば3?4人、雨の後など濡れている時は5人でも辛い作業です。たたんで収納する時には上のように小さくなりますがとても一人では持てません。次回シートから芝生が顔を出すのは恐らく2月に入ってからなのでまた報告します。次回までにどれ位の変化が見られるかお楽しみに。
1月23日(水)初雪が降り、うっすら雪が積もりました。
新横浜公園に広がった一面の銀世界をご覧ください。
日産スタジアム フィールド
芝 スタンド 日産フィールド小机
しんよこフットボールパーク 野球場・運動広場
★ 写真 この足跡、誰のでしょう。
撮影日時: 平成20年度1月9日
場 所: 新横浜公園北側園地、野球場北側の水路
北側園地は今、生き物の気配が希薄です。整備工事が佳境に入り、生き物たちは機械や工事人の慌しい動きに、これからの成り行きを息を潜めてみているのでしょうか。
でも、いなくなったわけではありません。水路にしっかりと訪れた痕跡が残っています。
写真では良く分かりませんが、3種類の来訪者があったようです。一番大きいのはコサギでしょうか。後は、シギとセキレイと思われますが、本当のところは本人に聞くしかありませんね。でも、餌があるようにも思えないこんなところに、採餌のためだとしたら、何を食べたのでしょうか。今、水の中に居るものといえば、モノアラガイやサカマキガイのような巻貝くらいで、それも僅かです。お腹がいっぱいになるには足りないように思います。
大きな足は真直ぐに動いていますが、小さな足はちょこまかと慌しく方向が定まっていません。鳥の行動をよく知っている人なら、この足跡で鳥の心理状態まで読めるのかもしれませんが、残念ながら私には良く分かりません。
でも、お腹がいっぱいになったのなら何もいうことはありませんが。
★ 写真 はて、何でしょう? モグラ塚です。
撮影日時: 平成20年度1月17日
場 所: 新横浜公園北側園地、池側の草地
北側園地の園路沿い、池側の冬枯れの草地に小さな土の山が目に付きます。モグラ塚です。モグラがトンネルを掘った後の残土ですが、人間の行うトンネル工事の残土と同じです。モグラは地中を生活の場とする生態と穴掘りの才能で土木関係のキャラクターにも多用されています。工事現場の案内や注意看板でヘルメットをかぶり、スコップを肩にしたモグラの勇姿を目にしたことがおありだと思います。
あまり人目につかず、人に迷惑かけない印象なのですが、稲作農家やゴルフ場、競馬場からは嫌われています。田んぼの畦にモグラが穴をあけると田んぼに水が張れません。競馬場ではモグラの穴に馬が足を取られ足を折る事故もあるとのこと。モグラ捕殺器なる物騒な器械も市販されていますから穏やかではありません。
でも、モグラの肩を持つわけではありませんが、モグラは土壌の守り神なのです。ミミズはモグラの餌ですが、汚染された土壌では育ちません。それを食べるモグラは土壌の環境指標でもあるのです。硬くなった土壌に空気を通し、土の天地返しをし、植物の生育を助けます。文字どおり縁の下の力持ちです。
モグラ塚はモグラの活動の証なのです。
日産スタジアム(新横浜公園)で、凧揚げの会を実施しました。
凧揚げの環境としては、電線やビルがあり、お正月の風物である「凧揚げ」を楽しめない皆様に今回、特別に凧揚げの場所を提供しました。都市部では、珍しく70ヘクタールという、広大な面積の敷地に、池、水辺、草地を有する、自然豊かな公園の大空に、凧が幾つも舞い上がりました。
当日の参加者数は、126名です、おもに親子連れが目立ち、親子でお正月の風物詩の凧揚げを楽しんでいました。
〈最近の凧について〉
★最近の凧は色々あります、カラフルですね!
?凧揚げスタッフのつぶやき?
凧揚げをする子供を久しく見ませんでしたが、空高く舞い上がる凧と子供の歓声は、気持ちを高ぶらせます。そんな凧揚げ大会でした。
今は、カイト凧ばかりで簡単に揚がってしまうので、おじさんの出番はありませんが、手元の糸が絡んでいるのに気が付かず、高く揚がった凧に夢中になっている、子供の姿も微笑ましく、良いものです、長い糸は思った以上に扱いにくいものです。
今の子供は普段の生活の中、全力で走ることも少ないと聞きますが、子供は風の子、凧は「♪たこ々揚がれ、天までとどけ」ですよね。そんな場所と機会を増やせればと思っています。
このイベントは、歳時記イベント第4弾で、第1弾は、こいのぼりプロジェクト、第2弾は、七夕まつり、第3弾は、秋の夜長の鑑賞会でした。今後も歳時記イベントは、行いますので、ご期待を!
みなさん、明けましておめでとうございます。
日産スタジアムも早いもので今年で10周年を迎えます。
10年前の平成10年3月1日の「ダイナスティーカップ」でオープンして以来、同年の「かながわ・ゆめ国体」、「FIFAコンフェデレーションズカップ」や「2002FIFAワールドカップ」そして先日開催された「FIFAクラブワールドカップ」(以下、FCWC)、この他にもJリーグやコンサート、陸上の「スーパー陸上」など多岐に渡る競技やイベントに利用されてきました。
この間、スタジアムで働く職員も少しずつ入れ替わり、日産スタジアムの歴史を知る職員は芝生と共にこのスタジアムを見守り続けてきた我々二人のグリーンキーパーだけとなりました。
このスタッフブログは、当時在籍していた設備系の職員と交互に綴り始めた「芝生とっておきの話」が始まりです。しかし、その「芝生とっておきの話」も最後にアップされたのは今から3年も前となり、最近は他の職員が持ち回りで書くようになりついつい怠けていましたが、やはり10年を節目としてまたスタジアムの顔でもある「芝生」についての観察日記でも書いてみようかと思いました。ただ10年というだけじゃなく、この観察日記を書こうと思った一つの要因は昨年のFCWCの決勝前日の朝、GC(ゼネラルコーディネーター)から言われた一言がきっかけです。
GCとは、FIFAの公式大会の会場毎にFIFAが派遣するプロデューサーのようなもので、試合が行われるスタジアムに関する全ての決定権を持っている人物です。このGCから言われた一言、それは「昨年より何故芝生が悪いんだ」という一言でした。実際は通訳されている言葉なのでその真意は解りかねますが、想うに芝生の色が去年より悪いと感じたのだと理解しました。実際我々も芝生の弾力などプレーする選手達にとっては良好な状態に仕上げられたという満足感の反面で、色合い的には決して満足していなかったので腹が立つ事もなく素直に受け止められました。でも、なんとなく自分自身に納得がいかない気持ちでいっぱいでした。というのも日産スタジアムの芝生は、選手達が最高のパフォーマンスでプレーできる状態であるのは勿論のこと、スタンドやTV映像を見ている人々に対する景観にも気を配らなければならないのです。
※上の写真が前回と今回の比較ですが、日陰下と照明下で解りずらいですがゼブラ模様の鮮明さがポイントです。
そこで、この節目の年に我々も新たな気持ちで日産スタジアムの芝生と向かい合おうと思い、芝生の観察日記を不定期ですがアップしていこうと思います。芝生の状態、作業の話、利用の話など色々な内容で楽しく、時には愚痴も綴っていきますので読んでやってください。
前置きが長くなりましたが、最初の観察日記です。
・1月7日、年末26日からフィールドに掛けていた養生シートを12日ぶりに剥がしてやりました。ビニールのヒモを編んだような薄いシートですが意外に効果があります。FCWCの時には想うように育たずイライラした冬芝が見違えるように綺麗になっていました。まだまだ広いフィールドを見渡せば枯れた夏芝が茶色く霜降り状に見えますが、幸か不幸か3月のJリーグ開幕まで利用がないので十分開幕戦には整えられると想います。いや、必ず仕上げて今年はホームチーム我らがF・マリノスにしっかり勝ってもらわないと芝生も悲しいですよね。
★ 写真 オオタカの飛翔?(オオタカの姿はこの写真にはありません、残念)
撮影日時: 平成20年度1月4日
場 所: 新横浜公園北側園地、上空
明けましておめでとうございます。
新年の初夢で目出度いのは「一富士、ニ鷹、三茄子」ですが、新横浜公園からも「茄子」を除きすべて見えます。残念ながら夢ではありませんが。
西の方向に雪化粧の富士の山、天空にオオタカ。オオタカの飛来時刻は季節によりまちまちではっきりとはしませんが、オオタカがくると水辺から水鳥の気配が消えます。カラスだけが、わいわいがやがやうるさく騒ぎ立てるのですぐ分かります。
ご存知のようにオオタカは食物連鎖の頂点に立つ生物で、オオタカ一羽が生息するには餌となる沢山の生き物が必要です。逆を言えば多くの生き物が生息できる環境がないとオオタカは生存できないということです。オオタカは豊かな環境のシンボルなのです。残念ながらオオタカが営巣できる場所は新横浜公園内にはありませんが、広い空間が狩場としての役を果たしています。この空間がもっと豊かで、生き物の豊富な狩場となるようにと思っていますが、狩られる生物の身となると、もっと隠れ家も必要だとも思います。弱肉強食ではなく、共存共栄の道を目指しましょう。本年もよろしく
ヨーロッパ代表ACミランの優勝で幕を閉じたFIFAクラブワールドカップ2007。
皆さんも、世界最高レベルのプレーに興奮したことと思います。
今大会では、様々な最新技術が導入・テストされました。
その中のいくつかをご紹介します。
まずは、選手用のベンチです。
車のヒーター付きシートを利用して作られたこのベンチはクラブワールドカップ用に新たに作られたもので、選手の体を冷やさない工夫がされています。
ちょっと座ってみたのですが、スポーツカーに乗っているみたいで、このまま走るんじゃないかと思えるほどです。
サッカー好きなら一家に一台ほしいところですね。
続きまして。
サッカーをやっている(やっていた)人なら『今のは、ゴール?』という判定を一度は経験したことがあると思います。
そんなときに役立つのが『ゴールラインテクノロジー!』
FIFAが試験的に導入したこの技術は、超小型チップをボールに埋め込み、ゴールか否かを正確に判定、信号で知らせるというものです。
このシステムによりゴールライン上での混戦など難しい判断を求められる状況でも正しい判断がくだせます。
今回は、試験的に導入されましたが、近い将来この技術がワールドカップや国際試合で利用されることと思います。
最高レベルのプレーを、最高の技術で支えた今回のクラブワールドカップ。
来年はどんなプレーが見られるのか、どんな新技術が導入されるか我々も楽しみです。
現在、ワールドカップスタジアムツアーにおいて<プレミア展示>を開催中!
(プレミア展示)
ACミランは、カカ、マルディーニ、ガットゥーゾ選手等のサイン入りユニフォーム
ボカジュニアーズは、パレルモ、パラシオ選手等のサイン入りユニフォームも展示しています。
・出発時間・ツアー参加料 詳細はこちらから↓
http://www.nissan-stadium.jp/tour/