スタッフブログ|日産スタジアム
芝生観察日記(1)
2008/01/10
 

 みなさん、明けましておめでとうございます。
 日産スタジアムも早いもので今年で10周年を迎えます。
 10年前の平成10年3月1日の「ダイナスティーカップ」でオープンして以来、同年の「かながわ・ゆめ国体」、「FIFAコンフェデレーションズカップ」や「2002FIFAワールドカップ」そして先日開催された「FIFAクラブワールドカップ」(以下、FCWC)、この他にもJリーグやコンサート、陸上の「スーパー陸上」など多岐に渡る競技やイベントに利用されてきました。
 この間、スタジアムで働く職員も少しずつ入れ替わり、日産スタジアムの歴史を知る職員は芝生と共にこのスタジアムを見守り続けてきた我々二人のグリーンキーパーだけとなりました。
 このスタッフブログは、当時在籍していた設備系の職員と交互に綴り始めた「芝生とっておきの話」が始まりです。しかし、その「芝生とっておきの話」も最後にアップされたのは今から3年も前となり、最近は他の職員が持ち回りで書くようになりついつい怠けていましたが、やはり10年を節目としてまたスタジアムの顔でもある「芝生」についての観察日記でも書いてみようかと思いました。ただ10年というだけじゃなく、この観察日記を書こうと思った一つの要因は昨年のFCWCの決勝前日の朝、GC(ゼネラルコーディネーター)から言われた一言がきっかけです。
 GCとは、FIFAの公式大会の会場毎にFIFAが派遣するプロデューサーのようなもので、試合が行われるスタジアムに関する全ての決定権を持っている人物です。このGCから言われた一言、それは「昨年より何故芝生が悪いんだ」という一言でした。実際は通訳されている言葉なのでその真意は解りかねますが、想うに芝生の色が去年より悪いと感じたのだと理解しました。実際我々も芝生の弾力などプレーする選手達にとっては良好な状態に仕上げられたという満足感の反面で、色合い的には決して満足していなかったので腹が立つ事もなく素直に受け止められました。でも、なんとなく自分自身に納得がいかない気持ちでいっぱいでした。というのも日産スタジアムの芝生は、選手達が最高のパフォーマンスでプレーできる状態であるのは勿論のこと、スタンドやTV映像を見ている人々に対する景観にも気を配らなければならないのです。

前回のFCWC準決勝戦当日の状況 今回のFCWC決勝戦当日の状況

※上の写真が前回と今回の比較ですが、日陰下と照明下で解りずらいですがゼブラ模様の鮮明さがポイントです。
 そこで、この節目の年に我々も新たな気持ちで日産スタジアムの芝生と向かい合おうと思い、芝生の観察日記を不定期ですがアップしていこうと思います。芝生の状態、作業の話、利用の話など色々な内容で楽しく、時には愚痴も綴っていきますので読んでやってください。
 前置きが長くなりましたが、最初の観察日記です。
・1月7日、年末26日からフィールドに掛けていた養生シートを12日ぶりに剥がしてやりました。ビニールのヒモを編んだような薄いシートですが意外に効果があります。FCWCの時には想うように育たずイライラした冬芝が見違えるように綺麗になっていました。まだまだ広いフィールドを見渡せば枯れた夏芝が茶色く霜降り状に見えますが、幸か不幸か3月のJリーグ開幕まで利用がないので十分開幕戦には整えられると想います。いや、必ず仕上げて今年はホームチーム我らがF・マリノスにしっかり勝ってもらわないと芝生も悲しいですよね。

シートを剥がした直後のフィールド 夏芝が消え、冬芝が優先した部分 夏芝の枯れ葉が残っている部分
・シートを剥がした直後のフィールド・夏芝が消え、冬芝が優先した部分 ・夏芝の枯れ葉が残っている部分
 ※ちなみに夏芝、冬芝という言葉を始めて見た方は、過去の「芝生とっておきの話(1)」で暖地型(夏芝)、寒地型(冬芝)という表記で説明しているので復習してみてください。  スタジアムの芝生はしばらくシートを張ったり、剥がしたりの繰り返しで芝生の顔を見られるのも週に1?2回程度なので、また何か変化が見られたら報告したいと思います。次回をお楽しみに。