★ 写真 ハンノキの花穂です
撮影日時: 平成20年度2月7日
場 所: 新横浜公園北側園地、投てき練習場横
ハンノキ(カバノキ科)に花が咲きました。ハンノキは河川の氾濫原や荒れた土地でも育つ先駆植物として馴染み深いものでした。ヤナギと生息する場所が似ています。新横浜公園には2種類のハンノキが植栽されています。ハンノキとケヤマハンノキ?です。タニガワハンノキかもしれませんがタニガワハンノキは神奈川県内では稀との話もあるので。ただし、工事の植栽リストには「ハンノキ」との表示しかないので正確にはわかりません。と言うのは、植栽樹木の移動は皆さんが思っている以上に広域にわたっており県内産とは限らないからです。それと、ハンノキの自生地は横浜市内には数えるほどしかありません。水田耕作と縁の深い樹木です。有名なのは滋賀県湖西地方の水田地帯に稲架木(ハサギと読みます)として植えられたもので、皆さんも観光写真などで一度はご覧になったことがあると思います。ハンノキが造園樹木として使われるようになったのは最近のことです。
それは水田や湿地の減少と裏腹の関係にあります。ハンノキの生息地が住宅開発や耕地整理により減少し、ハンノキの希少性が高まる一方、環境やエコロジーへの関心が高まり、水辺や湿地の大切さが理解されてきたからです。
ハンノキは湿地のクヌギ、コナラのような存在でハンノキ林は多くの甲虫や蝶の棲家ともなります。
★ 写真 ネコヤナギの花です
撮影日時: 平成20年2月7日
場 所: 新横浜公園北側園地・投てき練習場横
ネコヤナギです。フキノトウや福寿草と並び早春を告げる植物です。雪深い渓流の脇や雪の残る農村風景には欠かせないものです。新横浜公園のネコヤナギも銀色の花を咲かせました。でも、「花が咲いた」と言うより「芽が出た」という表現がふさわしいように思います。
やわらかい銀白色の穂は冷たい季節の中でも羽毛のように暖かそうです。何しろ、植えてあるところは高架道路の日陰でシベリアよりも寒いと噂されている所です(行ったことはありませんが)。原産地は中国だそうですが、同じヤナギ科の「シダレヤナギ」の学名は「Salix babylonica」でバビロニアの名が付いています。Salixとは水に近いとの意味だそうですが、チグリスユーフラテス川の河畔にも生えていたのでしょうか。
ネコヤナギの学名は「Salix gracilistyla」です。salixはヤナギの意、gracilistylaは花柱が長いとの意味だそうです。その花穂の形からの命名ですが、花穂を猫の尻尾に見立てた日本名のほうが早春の陽だまりを思い出させて好ましいように思います。
猫が縁側で日向ぼっこをしている。その尻尾の先がゆっくりと動いている。風に揺れるネコヤナギの花穂にそっくりだとは思いませんか。♪春?よこい、早?くこい。