スタッフブログ|日産スタジアム
芝生観察日記(4)
2008/02/27
 

 みなさん、こんにちは。
 「芝生観察日記」の第四稿です。今月始めに降った雪の影響で養生シートの撤去が遅れてしまい、報告が予定よりちょっと遅れてしまいました。
前回は芝生の話題から少し話がそれましたが、今回は再び日産スタジアムの芝生について見てみましょう。
 1月22日に設置した養生シートを4日に撤去する予定でしたが、積雪の影響で2日遅れてしまい6日に撤去しました。15日間に及ぶ養生は年末年始の12日間よりも長く、この冬最も長期間の設置となりました。今回の設置により冬芝が改めて芽数を増やし、休眠で白っぽく枯れた夏芝が目立たなくなり、フィールド全体の緑度が増しました。

1月7日の状況  2月6日の状況

   (1月7日の状況)       (2月6日の状況)    
 上の写真は、1ヶ月間の変化を比較したものです。全体的に緑が濃くなり、夏芝との色むらも解りづらくなっています。刈込み跡のゼブラ模様も美しく、景観だけで言えば、このままJリーグの開幕戦を迎えても問題のない状態に見えます。しかし、Jリーグのようなプロレベルの試合で選手達が最高のパフォーマンスを繰り広げるためには、見た目の美しさも当然大事な要素ではありますが、何よりも大事なのが芝生の根です。  下の写真は、昨年の5月と今月6日に採取したセンターサークル付近の根の状態を比較したものです。先ほど芝生は見た目だけではなく、根が大事だと言いましたが、日産スタジアムの芝生が一年で最も美しく、状態が安定しているのが春から初夏にかけての期間であり、中でも4月から6月の3ヶ月間位が最も根が地中深く伸びます。それに対して厳冬期のこの時季は、春の萌芽に向けて蓄えた養分を消耗しながら、地温が高くなるのをジッと我慢しているので根はあまり伸びません。写真では、5月の方が根の密度が多いのですが分りますか。  
平成19年5月28日  平成20年2月6日
  (平成19年5月28日)     (平成20年2月6日)        
 3月8日のJリーグ開幕戦まで2週間と迫りました。この大事な試合で、選手達が最高のパフォーマンスで競技できるように足元からアシストしたいと想います。そのためには、現状を踏まえて5月のような根の状態を目指さなければなりません。そして、我々がやらなければいけないことは、冬芝の根を少しでも多く出して、長く、太く育てるための作業を行うことです。   具体的には、定期的に刈込みを行い、冬芝に刺激を与えます。次に、冬の間に消耗した養分を補うため適度な肥料を施します。また、芝生に穴を空けるエアレーションにより土中に酸素を送るなどの作業を行うことで根の活性を図ります。  このような作業の結果、3月にはどの程度まで根が伸びたかは、開幕戦の状況と合わせて次回報告します。お楽しみに!