★ 写真 春をつげるツクシです。
撮影日時: 平成20年3月2日
場 所: 新横浜公園北側園地
「♪つくし誰の子スギナの子」と歌われる唄がありますがツクシ(土筆)とスギナは親子ではありません。ツクシ(トクサ科)とスギナは同じ根っこから出ます。茎の形が違うだけです。ツクシの茎は「胞子茎」と呼ばれスギナは「栄養茎」と呼ばれます。でも、同じ植物で二つ名前を持っているのも不思議です。昔の人もその形態からまさか同じ植物とは考えなかったということでしょうか。
そのかわいらしい形から「ツクシ」は多くの人から愛されています。春を告げる植物として唄や俳句にも歌われています。ツクシは春の季語でもあります。ところが、「スギナ」となると途端に扱いは冷たくなります。家庭菜園の主人や農家のおじさん、おばさんからは蛇蝎のごとく嫌われています。言うに事欠いて「難防除雑草」の名を頂いているのですからあんまりです。年齢なら畑に植わっている大根、キャベツなんか比ではありません。何しろ3億年前から地球上に存在していたシダ植物の仲間で、大先輩なのですから。
だって、食べられないじゃん、と言われる方もおられるかも知れませんが、そんなことはありません。漢方では利尿の生薬として今も使われています。ところが最近、スギナではなくツクシのほうが花粉症に効くとの話があり、ここでも旗色はよくありません。残念。
オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)が咲いています。瑠璃色のかわいい花ですが、大きな声では言い難い名前です。名前の由来はこうです。「オオイヌノフグリ」は外来種で1890年に東京で確認されたそうですが、それ以前に在来種として「イヌノフグリ」と言う植物があり、それより大きかったので大の名前をもらって「オオイヌノフグリ」となったと言うことです。大きい犬のフグリ(陰嚢)の意味ではありません。でも、今どき「フグリ」の言葉の意味を知っている人って何人いるのでしょうか。疑問です。
オオイヌノフグリは畑地雑草としてどこにでも見ることが出来ますが、イヌノフグリの方は環境省のレッドデータブックの絶滅危惧種?類に指定されています。大は小を兼ねない良い例というべきでしょうか。
命名法にはルールがありますが、どんな名前をつけるかについてはルールがありません。お笑いコンビ「浅草キッド」の「玉袋筋太郎」などもお笑いでなければ笑えません。
「アホウドリ」もかわいそうだから命名変更をしようという人もいるくらいです。でもアホウドリも英名「アルバトロス」となれば違います。ゴルフ界では憧れの鳥です。「イーグル(鷲)」よりも強いのですから。