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新横浜公園生き物観察日記(15)
2008/03/15
 
サンシュウ(ミズキ科)の花です

★ 写真 サンシュウ(ミズキ科)の花です
撮影日時: 平成20年3月8日
場  所: 新横浜公園東ゲート橋労災病院側の緑地

 サンシュウの花が満開です。ここは建物の陰で北風が当たらず温かいのでしょう。春の陽に当たって黄色の花がめだちます。早春の花です。サンシュウやジンチョウゲ(沈丁花)の花を見ると春を実感します。
 サンシュウの木自体は目立つ木ではありませんが、平家落人伝説、宮崎県椎葉村に伝わる民謡「稗つき節」に謡われる「♪庭のサンシュウの木、なる鈴かけて?」が有名で多くの人に知られています。でも、「稗つき節」に謡われているサンシュウはサンショ(山椒)のことでサンシュウではないとのことです。なぜなら、椎葉村には昔、サンシュウの木はなかったからと言うのが椎葉村の見解だと言うのを「大阪市立長居植物園のブログ」で知りました。そう言われれば、山椒の実は「鈴」に似ていなくもない。
 この話は良く知られた逸話のようでインターネットで検索すると他のブログやホームページにも載っています。でも、なぜ、このような間違いが起こったのでしょうか。もし、椎葉村に「サンシュウ」がなかったのならどこで混同したのでしょうか。全国に歌い継がれるうちに語呂が良いので今のようになったのでしょうか。今は民謡を聞く機会も少なくなりましたが、子供の頃はもっと身近で歌われていたように思います。
 でも「♪庭のサンシュウの木、なる鈴かけて」の続きが「♪鈴のなるときゃ出ておじゃれ、俺達平家の公家流れ、おまや追討の那須の末」と続くのは知りませんでした。

ヒキガエルの卵塊です

★ 写真 ヒキガエルの卵塊です
撮影日時: 平成20年3月10日
場  所: 新横浜公園北側園地遊水地

 ヒキガエル(両性綱無尾目ヒキガエル科)が卵を産みました。「啓蟄」の頃ではありますがこんなにタイミング良く産むものなのですね。水温が7℃以上になると産卵を始めるとのことです。
 寒天質に包まれた黒い小さな卵です。つかんで手繰るとずるずると延びますが千切れることはありません。でも、それは産んで間もないからで、時間が経過すれば寒天質が水を含み柔らかくなるそうです。ヒキガエルには東日本に生息するアズマヒキガエルと西日本を主な生息地とするサツマヒキガエルがあり、その両方を総称してニホンヒキガエルと言うそうです。外来種でアメリカヒキガエルと言うのもいるそうですから気をつけましょう。もっとも今は輸入はされてはいないそうです。ちょっと安心。
 私たちはヒキガエルをガマガエル(蝦蟇)と呼びますが、蝦蟇の油売りの口上は今では大道芸のひとつです。「筑波山麓四六の蝦蟇」の呼び方は前足の指が4本、後ろ足が6本に由来しますが、奇形ではありません。手足とも骨は5本ずつあるのですが、前足はひとつの指が退化し4本に見え、後足は足の突起が発達し6本に見えることに由来します。これが普通です。もうひとつ蝦蟇と言えば「地来也」または「自雷也」時代活劇の妖術使いのヒーローです。蝦蟇の宿敵大蛇。大蛇の天敵ナメクジ。この三つが揃うと「三すくみ」となり決着付かない状態となります。「ひとり勝ちを許さない」そんな気風が生んだ豪傑です。
でも、それを知る人も少なくなりました。