★ 写真 フキノトウ(蕗のとう)(キク科フキ属)です
撮影日時: 平成20年度3月11日
場 所: 新横浜公園北側園地工事予定地
フキノトウです。「とう」とは軸(ジク)のこと。そういえば盛りを過ぎたものを「とうが立つ」と言いますが、その「とう」です。
フキの学名は「Petasites japonicus」でその名のとおり日本原産です。北側園地の工事区域の残土の山に生えていました。食べるには少し開きすぎているようですが、もう少し経つと背も伸びて、花が咲きタンポポのような綿毛を飛ばします。
日当たりの良い場所に生えたものは、成長が早くすぐに硬く、苦味が強くなり食用には向かなくなります。早春を代表する和製ハーブです。
今は、一年中スーパーの棚に並んでいますが「フキノトウ」を栽培しているのは日本だけだそうです。中国産はないと言うことでしょうか。
私たちが目にするフキはそんなに大きくはありませんが、北海道足寄町に自生する「ラワンブキ」は高さ2mを越すそうで、こちらも大きい「秋田フキ」はラワンブキが秋田で栽培されたのが始まりとのことです。同じものとは知りませんでした。
ラワンブキの大きさを示す話に「コロボックル」と言う小人のでるアイヌ民話がありますが、コロボックルとは「フキの下の人」との意味で一枚の葉の下に10人も入ることが出来たそうです。そんなに大きなフキならフキノトウもさぞかし大きいのでしょう。一度見てみたいものです。
★ 写真 ヒバリ(雲雀)です
撮影日時: 平成20年度3月14日
場 所: 新横浜公園北側園地
寒いと思っていたらもうヒバリ(スズメ目ヒバリ科)が囀(さえず)っています。北側園地の上空に、工事のダンプトラックの騒音に負けじと鳴いています。春ですね。
春霞に麦畑とひばりは相性が良く、天空高く飛ぶ姿は少し前の春の農村風景には欠かせないものです。麦畑も少なくなり、ヒバリの姿も少なくなりなりましたが、北側園地ではまだ健在です。でも、工事が終わり草原がなくなればいなくなってしまうのでしょうか。
子供の頃、ヒバリの巣を探しに行ったことがあります。ヒバリは自分の巣に戻る時には、直接巣に降りずに、少し離れた場所に一度降り、歩いて巣に戻ります。その習性を知っておけば巣を探すのはそんなに難しくはありませんが、でも、昔だからと言ってそんなに沢山いた訳ではなく、見つけるにもそれなりの大変さはありました。
今は、野鳥を飼うにも許可が必要で、そんなことは許されませんが昔、近所に野鳥を飼うのが上手なおじさんがいて、そのおじさんはヒバリも飼っていました。ヒバリは驚くと飛び上がり鳥籠の天井にぶつかって死んでしまいます。だから、ヒバリの鳥籠は背が高く作ってありますが、誰にでも飼える鳥ではありません。なにしろ、おじさんは卵を自分の体温で温め、孵化(ふか)させることが出来る人だったのですから。今なら孵卵器(ふらんき)もあり、孵化させるのは難しくはないのかも知れませんが、子供に出来る技ではありません。そんなおじさんでも失敗することはあるらしく、空の鳥籠が縁側に干してあったのとおじさんの悲しそうな顔を想いだします。