★ 写真 麦の穂が出てきました。左が大麦、右が小麦です。
撮影日時: 平成20年度4月20日
場 所: 新横浜公園北側園地
去年播いた麦の穂が出てきました。目立ちませんが、れっきとした麦です。ところが、肥料をやらなかったせいでしょうか、茎の伸びがよくありません。これでは麦藁細工の材料としては不足です。
今回播いた麦の品種名は小麦「農林61号」、大麦「ファイバースノウ」です。これは麦に限らず、最近の栽培植物全般に言えることですが、皆、背丈は低く、小型に改良されているように見受けられます。確かに麦や稲のような植物は背を低くしたほうが重い実を支えるには有利で、また、風での倒伏が少なくなり刈り取りの手間も省けるので農家の人には喜ばれるのでしょうが、吹きわたる風に波打つ麦畑の景色(ゴッホの絵のような、黒澤映画の「夢」に出てきたような)が見られないのは残念です。麦畑と言えばスコットランド民謡「ライ麦畑」を思い出します。詩人ロバート・バーンズの作詞で「♪誰かさんと誰かさんが麦畑?」で知られ、若い男女の逢引(古風だなー)の情景を歌ったものですが、小学生のころは意味も分からず大きな声で歌っていた記憶があります。昔の麦は恋人同士を隠すことが出来るくらい背が高かったと言うことでしょうか。北側園地の麦では、子供のかくれんぼも出来ません。
★ 写真 そろそろ終わりのナタネです。
撮影日時: 平成20年度4月20日
場 所: 新横浜公園北側園地
ナタネ(菜種)(アブラナ科)は花の時期を過ぎ実りの季節に入っています。この時期、天候不順で雨がよく降ります。この時期の長雨を「菜種梅雨」といいます。生き物を育てる恵みの雨です。
ナタネはご存知のように油を採る植物で「ナタネ油」でお馴染みですね。
ナノハナには在来種のアブラナ・ナタネと移入種のセイヨウアブラナがあり、俳人・与謝野蕪村が「菜の花や月は東に日は西に」と詠んだ菜の花は日本の在来種で、小学校唱歌、高野辰之作詞の「おぼろ月夜」はセイヨウナタネだとのことです。どちらも春の夕べを詠った歌で、日も長くなり、人の気持ちも穏やかになる、そんな季節にふさわしい花です。ちなみに北側園地に育っているナタネは在来種です。7,8年前に横浜市こども植物園でもらったものですから間違いないと思います。
ナタネの作付面積は減っていますが、最近、石油に代わる燃料として脚光を浴びています。バイオ燃料のひとつです。日本で一番ナタネを育てているところは青森県横浜町で栽培面積はダントツとのこと。同じ「横浜」なので親しみが持てます。横浜町はナノハナだけでなく、北限のホタル(ゲンジボタル)でも有名です。ホタルの光も黄色、ナノハナも黄色ですから相性がいいのでしょう。