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新横浜公園生き物観察日記(17)
2008/04/03
 
水面を低く飛ぶツバメです。

★ 写真  水面を低く飛ぶツバメです。
撮影日時: 平成20年度3月28日
場  所: 新横浜公園北側園地

 春の兆しには色々なものがあります。ツバメの飛来もそのひとつです。ツバメの飛来がほかの鳥と違うのは、旧知の友達に会えたような気持ちになれるからではないでしょうか。 
 北側園地の水面を低く高く飛ぶツバメは去年の夏、この地で生まれ、寒さを避け南に旅していた鳥のはずです。今年も元気な姿を見せてくれました。
 ツバメは日本の水田耕作(稲作)にうまく適応し、稲につく虫を食べてくれる益鳥として大切にされ、人間に飼育、食料にされなかった稀な鳥です。
 また、飛ぶ姿や、飛翔スピードは多くの日本人の心をとらえ旧国鉄の旗艦列車の名称となり、国鉄がJRになった今も九州新幹線に引き継がれています。もうひとつ、プロ野球チーム、ヤクルトスワローズのスワローズは国鉄スワローズの愛称を引き継いだものです。「燕のような」と言えば軽やかな身のこなし、目にも留まらぬ早業を指し、昔は速さの象徴として汽車や飛行機に鳥の名前が使われましたが、今はもっと早いと言うことで、こだま、ひかり、と無機的な名称になり最後?は人間の思いで「のぞみ」ですから、スピードではかないません。
 ツバメはそんなことを知ってかしらずか、今日も北側園地の空にきれいな軌跡を描いています。

水面の反射でよく見えませんが、メダカの学校です。

★ 写真  水面の反射でよく見えませんが、メダカの学校です。
撮影日時: 平成20年度3月24日
場  所: 新横浜公園北側園地

 水ぬるむ春。春に元気になるのは人間、植物だけではありません。水辺の生き物もにぎやかになります。今、北側園地は工事の真っ最中で水路の水も汲みだされ以前の賑わいはありませんが、それでも小さな水溜りに命のきらめきはあります。
 メダカです。メダカが世間の話題になったのは5,6年前のことでしょうか。環境省の絶滅危惧種?類になり、環境破壊が身近に迫っている危機的な象徴として新聞、マスコミでも取り上げられました。そのことが契機となり、メダカへの関心が高まりメダカの保護や生息地作りが盛んになりました。それまでメダカは「金魚屋さん」(今、こんな名前を知っている人も少なくなったとおもいますが)で売っている「ヒメダカ」と田んぼの水路にいる「クロメダカ」の2種類しかいないと思っていました。新横浜公園の水路にも沢山のメダカがいます。新横浜公園のメダカはどこから来たのでしょうか? 工事の担当者に聞いても放流はしていないとのことなので不思議です。工事を潜り抜け生き延びたのか、誰かが放流したのか分かりませんが、ここで代を重ねてくれれば在来と呼ばれる日も近いと思います。メダカの研究も進んでいて系統の整理も進んでいます。神奈川県には河川の水系ごとに5系統があり、その中には鶴見川水系の「ヨコハマメダカ」もはいっています。新横浜公園のメダカもそのうち「ヨコハマメダカ」になるのでしょう。いや、「シンヨコハマメダカ」でしょうか。