みなさん、こんにちは。
「芝生観察日記」の第八話です。
梅雨入りして早いもので1ヶ月が経過しました。今年の梅雨は、例年よりも雨が多く、気温が低い傾向であるため夏芝にとっては厳しい環境下での切替えとなっています。
そのため、お天気任せの自然な切替えでは夏芝への完全な切り替えは難しいと判断し、機械を使用した人為的な切替え作業を6月30日と7月1日に分けて実施しました。
初めにバーチカット(写真1)を実施しました。これは包丁の刃がたくさん付いたような機械(写真2)で、芝生を引掻いて密度を調整する作業です。この作業を行うと芝生が、掻き出された芝カスで隠れてしまいます(写真3)。バーチカットを行うことで芝生の芽数が梳かれ、夏芝が出易くなるようにスペースを確保します。
写真1 写真2 写真3
次に、芝生に穴を空けるバーチドレン(写真4)を実施しました。これは直径8mm(太さ、長さ、穴の間隔は目的に応じて変更します)の釘が18本付いた機械(写真5)で芝生に穴を空けます。バーチドレンを行うことで乾燥に弱い冬芝を衰退させ、土壌中に酸素を供給することで夏芝の根を活性させます。今回使用した直径8mmの仕様では芝生に殆ど変化は見られません(写真6)。
どうですか、穴が空いているのが解りますか?
写真4 写真5 写真6
今回は、バーチカットとバーチドレンという切替え作業の中でも代表的で、手荒な部類の作業を続けて行いましたが、他にも切替えのための作業として、散水を控えたり、刈込みの高さを下げたりして冬芝を弱らせる方法も随時行います。
しかし、バーチカットやバーチドレンといった作業は、天候次第では非常にリスクが高く、今年のように低温、多雨の年には夏芝の活性が鈍いので、冬芝を弱らせるため仕方なく実施します。でも、できることなら散水や刈高調整程度で、芝生を傷めず、利用者へも迷惑をかけない自然な切替えをしたいと想うのですが、なかなか生き物は難しいというのは何年経っても変わりません。
果たして、今年の切替えは上手くいくのだろうか?また、胃が痛い季節がやってきました。
次回は、夏芝の苗を補植する作業の様子をご紹介しますね!お楽しみに。
前回の芝生観察日記(7)はこちらをご覧下さい