みなさん、こんにちは。
「芝生観察日記」の第九話です。
7月7日、七夕の日に今年も夏芝の苗(ティフトン419)をフィールドに植え込みました。
我々の間では補植と呼んでいる作業です。日産スタジアムの夏芝は、三重県鈴鹿生まれですが、今回使用した苗は宮崎県生まれなのでハーフになるわけですね。
補植に用いる苗(写真1)は、畑から切り出した芝生を水洗いした後に解したものを使用します。
補植の方法は、専用の機械(写真2、3)を使います。補植の流れ(写真2)としては、機械前方のカッターで切った溝に、人力で投入(写真4)した苗が落下し、その苗は後方のブレードで溝に押し込まれ、更に後方のローラーで溝を転圧して塞ぎます。しかし、機械でできるのはここまでで、押し込まれた苗は完全には入り切らない(写真5)ため、最後は人力で表面に出た苗を押し込んで(写真6)完了です。
(写真1) (写真2) (写真3)
(写真4) (写真5) (写真6)
今年の補植は、ダメージが集中して夏芝の芽出し量が少ない、メイン側とバック側の各ラインズマン(副審)走路部分とセンターサークルとペナルティーエリアを結ぶセンター付近に限定して行いました。
夏芝は基本的に多年生なので、通常は補植などを行わなくても時季が来れば出てくるものですが、屋根に覆われた上、人工地盤という特殊な環境である他、サッカーによるダメージが集中する部分ではどうしても夏芝の芽出しが悪いため、毎年状況を見ながら補植を行います。
みなさん、どうですか?補植とは人間で言うところの増毛です。こういった地道な作業によって日産スタジアムのフィールドは、通年良好なコンディションを維持しています。
次回は、今回補植した苗のその後について、ご報告したいと思いますのでお楽しみに!
前回の芝生観察日記(8)はこちらをご覧下さい