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新横浜公園生き物観察日記(52)
2008/11/08
 
野菊(ノコンギク)です

★ 写真  野菊(ノコンギク)です
撮影日時: 平成20年度10月30日
場  所: 北側園地野球場北側植栽地

秋の花、菊の季節です。いろんな所で菊花展が開かれる季節でもあります。北側園地にもノコンギク(キク科シオン属)が咲いています。数は多くありませんが、この一角だけが秋の風情です。

野菊と一般に総称されますが、ノコンギクに良く似た花で「ヨメナ」と言うのもあります。ノコンギクよりも湿気を好み水田の畦などに生育しますがよく見ないと違いが分かりません。違いを知るには、冠毛の長い短い、葉の表面のざらつき、無毛で光沢があるかどうか、いくつかチェックポイントはありますが、葉の表面がざらつくかどうかが判断材料としてはいいのではないでしょうか。ざらつくほうがノコンギクです。

菊は花の美しさだけでなく、日本人の心象風景を映すものでもあります。
もう、随分前のことになりますが「ロッキード事件」と言うのがありました。時の宰相田中角栄の疑獄事件ですが、田中角栄を問い詰める検察官の襟の記章は「秋霜烈日」記章と呼ばれる[太陽に菊]があしらわれたものでした。「秋霜」はその言葉どおり秋の霜、「烈日」は真夏の太陽、どちらも容赦なく厳しいものの例えですが、どのような厳しい環境でも凛とした姿で咲いている野菊(たぶん野菊だと思います)に厳正さを求める検察官の姿を投影したのでしょうか。その他にも伊藤左千夫の「野菊の墓」はあまりにも有名で「野菊のごとき君なりき」の題名で映画にもなりました。監督はたしか、木下恵介だったように思います。あらすじを聞くのは野暮と言うものです。

前回の新横浜公園生き物観察日記(51)はこちらをご覧下さい