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新横浜公園生き物観察日記79
2009/05/09
 

ナガミヒナゲシ

★ 写真  ナガミヒナゲシ(ケシ科)帰化植物です。
撮影日時: 平成21年4月20日
場  所: 北側園地野球場ライト側の緑地


 ヒナゲシは春の花です。園芸種で馴染みのあるものはアイスランドポピー、オリエン
タルポピーでしょうか。ヒナゲシの別名は「虞美人草」で夏目漱石の小説の題名にもなっ
ています。
美しい女性の代名詞でもあります。「虞美人」は中国の秦時代末期「項羽と劉邦」
が覇権を争った時に出てくる悲劇の女性の名です。楊貴妃と並んでよく知られた名前です。
 ところが、新横浜公園に今咲いている「ナガミヒナゲシ」は地中海産の1年草の外来種
で、色は朱色ですが鮮やかな朱ではありません。どちらかと言うと地味な花です。
 日本で最初に確認されたのが1961年ですから新しい部類に入ると思います。
繁殖力旺盛で都市部を中心に生育範囲を広げています。
ナガミヒナゲシの生育分布拡大には人間の経済活動が大きく働いていると言われています。
特に自動車と温暖化が主要な要因としてあげられています。
自動車は分布を広げる手段として、温暖化は生育環境改変の原因として。
ナガミヒナゲシは暖かい気候を好み、アルカリ土壌に適した草です。
今の都市はコンクリートで造られ、乾燥はアルカリ化を促進します。
ヒートアイランド現象に象徴される都市の気候変動はナガミヒナゲシには心地よいもののようですが
、人間にはどうでしょうか。