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新横浜公園生き物観察日記(104)
2009/12/12
 


★ 写真  ガガイモの実です。

撮影日時: 平成21年11月22日
場  所: 北側園地整備予定地


 気温が下がると北側園地のアシやオギも黄葉し葉を落とします。葉を落とした茎に何かぶら下がっています。カラスウリかとよく見ると、実の形が違います。色も薄い緑色で縞もありません。ガガイモの実です。ガガイモ(ガガイモ科ガガイモ属)つる性の多年草です。夏の間はアシの陰に隠れ、目立ちませんが、雑木林の林縁に見かける植物です。
 この実は「袋果」と呼ばれ中に綿毛のついた種が入っています。乾燥すると茶色の殻が二つに割れて中の種が風によって飛ばされます。この様を見て、昔の人は神話を編み出しました。古事記や日本書紀に出てくる「スクナヒコナノミコト(小名彦命、須久奈古命)」の話です。ガガイモの殻が神様の乗り物(舟)になるのですから、おどろきです。
 スクナヒコナノミコトは小さな神様で(一寸法師の原型との説もあります)海の向こうからガガイモの殻の船に乗って「因幡の白うさぎ」で良く知られたダイコクサマ(大国様、大国主命)のもとに来て大国様の国づくりに協力した神様だそうで医薬、温泉をつかさどる神様でもあります。国づくりが終わると、また「常世国」(桃源郷?)に帰ってしまったそうですが「出雲国風土記」には稲と水田耕作の普及に貢献した神様と書かれているそうです。ガガイモの実(殻)にそんなドラマがあったなんて、知りませんでした。