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芝生観察日記(15)
2009/12/03
 

 芝生観察日記の第十五話です。
 前回の冬芝播種(オーバーシード)から少し時間が空いてしまいました。追い播きした冬芝の種も今では根を下ろして美しい芝生になっていますが、今年の秋は寒暖の差が激しく、ここぞというタイミングで雨に見舞われる天侯は、芝生にとって決して良好とは言えず、冬芝の種も発芽してから芝生になるまで思うように育ってくれませんでした。
 北国からは初雪の便りがあちこちから届き、いよいよ冬の訪れを感じさせる季節となりました。日産スタジアムの芝生もこれから訪れる厳冬期に備えた準備を始めています。夏芝は貯蔵養分を蓄え来春の萌芽に向けて休眠(動物でいう冬眠)が近づいています。夏芝が休眠している間のフィールドを緑に保ってくれる冬芝は着実に根を下ろして株を太らせています。とはいえ、冬芝はまだまだ大人にはなっていません。急激な気温の低下によって葉が萎縮して生育を鈍らせてしまう恐れがあります。
 このような寒さによる影響から芝生を守るため一週間ほどビニール製のシートを設置して保温したのですが、期間中の雨が災いして予定よりシートの設置期間が長くなった結果、夏芝に病気が発生してしまいました。正式な病名は「カーブラリア葉枯病」ですが、通称「犬の足跡」と呼ばれています。



 その症状から付いた名の由来通り、犬が歩いた足跡のように芝生が赤く枯れてしまいます。通常は高温多湿な季節に発生する病気なので季節外れではありますが、シートを設置したためその環境を作ってしまったようです。スタンドやテレビ画面では判らない程度の病気ですがちょっと想定外でした。
 芝生も生き物なので我々が風邪をひくように病気にもかかります。人間社会でも新型インフルエンザが流行っていますので気をつけましょう。