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新横浜公園生き物日記(122)
2010/05/30
 

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★ 写真  ノハナショウブです。
撮影日時: 平成22年5月17日
場  所: 新横浜公園北側園地1号水路

 ノハナショウブ(アヤメ科アヤメ属)が咲きました。この時期は日ざしも強く、雨も多いので植物の伸びは早くアッという間に草地が藪(やぶ)になってしまいます。
 でもその伸びた草の上に紫の花を咲かせています。背の高い湿性植物です。
 ハナショウブ(花菖蒲)の原種ですが、ここに植わっているノハナショウブは園芸店で購入したものが増えたので、産地、品種名までは分かりません。
 尾瀬や北海道の放牧場などでノハナショウブが群生している姿を写真や映像でご覧になった方も多いと思いますが、これは、ノハナショウブには毒があり放牧された牛や野生の鹿は食べないためだと言われています。湿地は本来的には生産性が高く、ノハナショウブとの競合種も多いのですが、他の生き物の力を借りて生息地を広げる適応のよい例だと思います。新横浜公園では牛、鹿の役割を人間がしているということです。
草が伸びてうっとうしく感じられるためと、梅雨時期をひかえた河川管理のために、方々で草刈りが行われています。なかでも国土交通省京浜河川事務所が行っている堤防の草刈りは一見の価値があります。戦車のようなキャタピラ式の草刈機が一走りするだけで、幅2mの草が刈り取られ、粉砕されます。長い堤防があっと言う間に丸坊主になります。
でも、キジやヒバリのような、今が子育て時期の草原性の鳥にとっては困りものです。草むらが無くなることは鳥にとって、えさ場と隠れ家が同時に無くなることですから。