スタッフブログ|日産スタジアム
ファイナルスタジアムで応援企画!!
2010/06/05
 

もうすぐサッカーのFIFAワールドカップ™(W杯)が開幕します。ここ日産スタジアムは、ご存じの通り、2002年日韓大会で決勝戦の行われた会場です。あれから8年。今もあの感動を伝えるスタジアムツアーを実施するなど、当時大会運営に携わったスタッフにとっても、またスタジアムにはいなかったスタッフにとっても、W杯は思い入れのあるイベントです。
先日、2006年ドイツ大会で、3位決定戦の主審を務めたことでも有名な、JFAトップレフェリーインストラクターの上川徹(かみかわとおる)さんにご来場いただき、W杯の思い出や、2010年大会の見どころなどをお話いただきました。世界でもトップレベルの上川審判のお話は、サッカーの好きな方はもちろん、他のスポーツに親しまれている方にも興味深いと思
いますので、ブログで一部ご紹介させていただきます。

上川 徹  

【2002年大会】
初めてW杯審判を経験。会場については、新しく建設されたところが多く、担当試合の際に初めて行くスタジアムもあった。担当した新潟も、会場の資料や写真は十分貰っていたものの、実際に行ったのは初めてだった。日韓共催で2つの本部があったので、情報伝達が十分で無い事はあった。

【2006年大会】
審判の選考基準は、判定の技術のみならず、フィジカルやメンタル面も含め厳しい。また割り当ては、出身国のチームに関係する試合からは外れるため、実力以外の要素もあり不安になることはあった。2002年では一試合しか主審を担当しなかったが、2006年においては、決勝戦でホイッスルを吹くことですらもう「夢」では無く「目標」だった。多くの方からの応援があり、審判の指導を担当するアセッサーの高田さんや、アシスタントレフェリーの廣嶋さんが一緒の審判チームに居て、リラックスできた。
3位決定戦は普段どおりのリズムで行えた。どうせなら、負けたら終わりという緊迫した試合が良かったが、ホスト国ドイツのラストゲームであり、滅多に無いチャンスと思った。
割り当てでは、悔しい思いもしたが、自身が吹いているときは他の審判からそう思われているのだと思う。国内で選ばれ、ここに来られたこと自体が光栄と思った。
表彰式でのメダル授与では、観客からの拍手につつまれた。審判へのブーイングが無かったのはこれが初めてとも言われた。

【チーム制】
W杯では、主審・副審が専業制となり、同大陸出身の審判でのチーム制が採用されています。日本人初のW杯アシスタントレフェリーに選出され日本の副審のレベルの高さを証明した俊足の廣嶋さん、韓国人副審の金さんとともにチームを組んだ。
日本人の副審はとても高い評価を受けていたので、廣嶋さんがW杯に行けたのは嬉しく、日本の副審の実力を世界に示せた。廣嶋さんはそのキャラクターからも、皆に好かれていた。

【2010年大会】
まずは、日本代表の活躍に期待。前大会は、フィジカル面で劣り、それが考える力も奪ってしまったようで、自信が無いようにも見えた。たくましさを見せて戦って欲しい。恐れず前へ行って欲しい。2002年のような、前へ進む日本チームのイメージを作って欲しい。

【2022年招致について】
日本代表が今大会で活躍して、起爆剤になってくれるといい。

【審判とは】
選手のために、選手がよいパフォーマンスが出来るようにコントロール。視野の中にあれば(見えていれば)いいジャッジができる。
われわれ審判は、試合開始の度に、「Good luck」といって出て行く。ミスをしてもどう次に修正するかが大切。

W杯という大舞台で、しかも全世界が注目する3位決定戦で平常心を保てるのは、並大抵のことではないですね。ドイツ大会で日本チームが敗退した後も、日本人審判は3位決定戦まで残ったというのは、現地でも話題にもなり、観戦に行っていた日本人達も誇らしかったと聞きます。
2010年大会の日本代表も頑張ってほしいです!日本代表選手への期待を熱く語る上川さんの様子からは、ご自身の選手としての経験や思いも強く伝わってきました。
2005年に日産スタジアムで決勝戦が行われた「クラブワールドカップ」。上川さんは、別会場で行われた3位決定戦を担当。『決勝吹きたかったな?』と何度も本当に悔しそうにおっしゃっていました。

ここ日産スタジアムは、日産フィールド小机・スポーツ医科学センター・会議室・しんよこフットボールパークなどと合わせた複合施設として、審判の皆さんにとって、試合はもちろんトレーニングや講習会でお馴染みの場所でもあります。

スタジアムのある新横浜公園内にご来園の皆さんも、そんな審判の方々を見かけることがあるかもしれません。犬の散歩で通りがかった方も、審判はこんなに激しくトレーニングしているのかと驚かれたそうです。上川さんとしても、審判への理解につながるのでトレーニングの様子などどんどん公開していって良いし、それを見て審判を知って欲しいとのこと。

W杯の開催を記念し、「応援企画展示」を7月30日までの期間限定で開催しています。場所は、「ワールドカップスタジアムツアー」の集合場所でもある、スタジアムショップ入口前。営業時間内であれば、どなたでも無料で入場できます。
上川さんにお借りした貴重な写真や記念の品の写真も展示中。なお、実物は、ワールドカップスタジアムツアー内でご覧いただけます。

展示品   ビクトリーロード
              応援企画展示                  スタジアムツアーで体験できるフィールドへの入場