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新横浜公園生き物日記(129)
2010/08/14
 


★ 写真  カマキリ(蟷螂)の子どもです。
撮影日時: 平成22年7月30日
場  所: 日産フィールド小机外周植栽地

 カマキリ(カマキリ目カマキリ科の肉食性昆虫)です。今年生まれたのがこんなに大きくなりました。カマキリは日本に2科9種がいますが、これはハラビロカマキリの幼生です。子どもながら獲物を狙う姿にはハンターの凄みがあります。と言うのは嘘でとてもかわいい姿をしています。こんな姿を見ると「蟷螂の斧」の言葉を想い出します。自分の力ではとてもかなわないような敵にたち向かうことの意味ですが、向う見ずなニュアンスが強く、ほめ言葉とは言えないでしょう。でも、この言葉にまつわる故事はそれとは少し違います。カマキリの名誉のために少し書きます。
中国の古代説話集「韓詩外伝」に書かれた故事では、斉の荘公(春秋時代、斉25代目の君主)が狩に向かう途中、荘公の馬車の前に立ちふさがる虫を見つけ、従者に虫の名を尋ねたところ従者が「この虫はカマキリと言い、前に進むことしか知らなく退くことを知りません、自分の力のほどもわきまえず一途に敵に当たる奴です」と進言したところ、荘公は「この虫が人であったら、天下に並びなき勇者となったであろう」と言って馬車を戻させたということです。荘公と言う人は武を尊び配下にも勇敢な武人が多かったそうです。兵の士気を鼓舞する言葉としてカマキリを使ったわけですが、褒められていますよね。