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新横浜公園生き物日記(136)
2010/09/23
 


★ 写真  ヒマワリの花の季節は終わりですが、これからが実りの季節です
撮影日時: 平成22年9月9日
場  所: 北側園地野球場ホーム側緑地

 台風9号の豪雨が恵みの雨となって、ヒマワリもほっと一息です。暑さには強い植物ですが今年の暑さにはさすがに参ったようです。キク科ヒマワリ属の1年草で北アメリカ原産。アメリカ先住民が食用として栽培していたのをスペイン人が母国に持ち帰り、その後世界に広がりました。500年も前のことです。ただ、その有用性が知られるようになったのはロシアあたりまで栽培区域が広がった後のことだそうです。
 盛夏、上を向いていた花も花弁が枯れると下を向き1カ月くらいで実が入ります。このように下を向くヒマワリの姿を見て数学者岡潔は「考えている姿がよい」といったとの話を小説家藤本義一が「雨のひまわり」と言う小説に書いています。岡潔は日本を代表する高名な数学者で名文家でもありますが、奇行の人でもありました。
そのような人への取材をベースにした小説ですから、対談の名手と言われた藤本義一でも、かなりてこずったのでしょう。何しろ相手は寡黙の人で対話にならないのですから。
 対話にならない対話に疲れ、話のネタも尽きた作者が苦し紛れに、先生はどんなお花がお好きですかと聞くと、ヒマワリが好きだとの答えが返ってきます。意外な答えにその理由を問うと、前に言った答えが返ってきます。太陽の光を一身に浴びたヒマワリではなく、盛りを過ぎ、実りの時期を迎え頭を下げた姿に難解な数式を解く自分の姿を投影しての言葉だったのでしょうか。
 ヒマワリの花を見ると何時も、この話を想い出します。