スタッフブログ|日産スタジアム
芝生観察日記(第16話)
2010/09/02
 

芝生観察日記の第十六話です。
今年の夏は記録的な猛暑となりましたが、まだまだ厳しい残暑が続きそうですね。
ずい分久しぶりとなってしまいましたが、みなさんからのご要望も多いようなので芝生の現状について報告しますね。
日産スタジアムでは今年も人気アーチストによる野外コンサートが2週連続で開催されました。サッカーや陸上の聖地だけでなく、実は野外コンサートの聖地?でもあるようです。芝生を管理する者にとっては微妙な想いがありますが、スポーツ以外のお客様にもこのスタジアムを満喫していただく最高の舞台と理解しています。
さて、コンサートをやると芝生はどうなっちゃうの?という素朴な疑問を感じませんか?
コンサート風景は諸般の事情によりお見せできませんが、芝生の上にもお客さんが座るということは間違いなく、当然芝生は傷みます。それもかなり。。。。

  

こんな風にグラウンドがコンサート会場に変わります

芝生の上には「テラプラス」という専用の芝生保護材が敷かれます。実はこれイギリスのサッカーの聖地として有名な「ウエンブレースタジアム」が開発したものですが、保護は完璧ではありません。  
芝生上の席、一般的にアリーナ席と呼ばれる部分には1回当たり約15,000?20,000人分のイスが並べられます。

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コンサート後は保護材の足型が残り、こんなふうに黄色く変色してしまいます

写真では傷みの度合いがあまり伝わらないかもしれませんが、直ぐにサッカーが出来る芝生ではありません。スタジアムはサッカーや陸上といった競技だけでなく、様々なイベントにも使われているので、芝生を守る立場の者には悩ましい状態です。8月29日にはJリーグ、そして9月4日には日本代表戦が控えています。気が休まらない日が続きますが、選手に迷惑をかけるわけにはいきません。
ここからが腕の見せ所といったところでしょうか?また、時間をおいて回復状況を報告します。