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新横浜公園生き物日記(141)
2010/10/25
 


★ 写真  ワタの実がはじけ始めました
撮影日時: 平成22年10月3日
場  所: 北側園地植栽地

ワタ(アオイ科ワタ属の1年草)の実がはじけ始めました。今年の8月は猛暑日の続く暑い夏でした。ワタも水切れで枯れてしまうのではと心配しましたが9月前半、台風9号の雨で生育も持ち直しました。
暑さ、乾燥には強いようです。同じような夏の花、ヒマワリの葉は暑さで黒く枯れているのにワタの葉は青々としています。
和綿は14世紀に朝鮮半島経由で日本に伝来しました。元号で言うと室町時代です。その後、関西を中心に栽培が盛んになりますが庶民の間に広まったのは江戸時代も後半になってからのことだそうです。では、庶民と言われる人たちはそれ以前にはどのような物を着ていたのでしょうか。柳田国男「木綿以前の事」には麻が多く用いられていたとのこと。
麻は通気性が良く湿気の多い日本の気候には合っていたようですが繊維が固く着心地については木綿に一歩譲るそうです。武士の正装、裃(かみしも)に付ける肩衣(かたぎぬ)は麻で出来ています、固い繊維でないと三角定規のようなあの線は出ません。
今は安くて質の良い木綿が下着や雑貨として私たちの身の回りに溢れるようにありますが、それらは皆、輸入品です。残念なことに和綿の出番はありません。