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新横浜公園生き物日記(143)
2010/11/05
 


★ 写真  ハナバチです。
撮影日時: 平成22年10月22日
場  所: 北側園地減勢池側緑地

 ハナバチの一種、トラマルハナバチです。コスモスの蜜か花粉を食べに来たのでしょうか。ハチ目ハチミツ科のハナバチですが、ミツバチのような大きな群をつくることはありません。巣も地面の下にネズミやモグラが掘った穴を利用して10から20匹程度が女王蜂を中心に暮らしているそうです。何となく平家の落人伝説を彷彿とさせる暮らしぶりのようですがハナバチの有用性は言うまでもありません。受粉で多くの植物がお世話になっています。ハナバチの仲間は世界で250種、日本では15種くらいいるそうです。その中でもトラマルハナバチはサクラソウとの関係で良く知られています。小学校5年の国語の教科書にも載っています。トラマルハナバチがいないとサクラソウは受粉できず実をつける事が出来ないと言う話です。サクラソウは宿根草ですから株分けで生息域を広げる事が可能ですが、一つの株から出来た群落は外圧に弱いと言われています。このような株をクローンと呼びます。クローン技術(挿し木もそうです)は農業や園芸では一般的な技術です。人間が栽培しますから栽培条件や病害虫はコントロールできるので優良なクローン苗の方が栽培管理も楽で生産性も高く好まれます。でも、野生となれば話は違います。クローンの群落は何が起こるか分からない自然の中ではとても不安定な状態にあるのです。