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新横浜公園生き物日記(154)
2011/01/19
 

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★ 写真  ガマの花穂(かすい)の飛散状況です
撮影日時: 平成23年1月8日
場  所: 北側園地の保護区

 ヒメガマの穂です。ガマ科ガマ属の多年草で、夏にはフランクフルトソーセージの様だった雌花穂(しかすい)は結実するとご覧のようにほぐれて風に乗って遠くまで飛ばされてゆきます。古代の人々はこの穂綿(ほわた)を集めて布団?を作ったそうです。 そう言われれば綿のようにふかふかしてとても気持ちよさそうです。
 童謡に「大黒様」と言う歌があります。古事記の「因幡の素兎」(いなばのしろうさぎ))の物語を歌ったもので「♪大きな袋を肩にかけ 大黒様が来かかると ここに因幡の白うさぎ 皮をむかれて赤裸」で始まり3番まであります。
 3番は「♪大黒様のいうとおり きれいな水に身を洗い がまの穂綿にくるまると うさぎはもとの白うさぎ」で終わります。
 子供の頃、ウサギはガマの穂綿にくるまって傷を癒すのだと思っていましたが、そうではなく、ガマの雄花から採れる花粉には止血や利尿の薬効がありそれを生薬(漢方薬)として使って傷を治したのだそうです。また歌にある「きれいな水に身を洗い がまの穂綿にくるまる」のくだりは日本最古の傷治療の手順書なのだそうです。
 今は医療も高度化し私達には理解不可能な世界となっていますが、治療の基本は傷口を清潔に保ち、安静にして体力の回復を待つこと。古代人も現代人もこれは同じです。