スタッフブログ|日産スタジアム
芝生観察日記 第33話
2011/02/03
 

芝生観察日記の第三十三話です。
平成23年2月3日

 2011年も早いものでもう1カ月が過ぎました。大寒は過ぎましたが相変わらず朝夕の冷え込みが厳しい毎日です。
 この時季、芝生は殆ど伸びません。
我々が行う芝生の作業は、刈込みを10日に一度程度行う他、液体肥料を施す以外は芝生にシートを掛けて養生しています。
 でも、今年で開場13年目を迎えるこの冬は、日産スタジアムの芝生にとって大事な作業を行っています。いや、手術と言っても良いかもしれません。
13年前の3月、都心では珍しい降雪となり公共交通機関が麻痺して当日開催が予定されていた「サッカーダイナスティーカップ 日本代表対韓国代表」の開催可否を迷うほどでしたが、芝生フィールドの上は濃緑な緑色の芝生が輝いていました。
 恐らく他所のスタジアムだったら中止か無理矢理除雪して開催するかの選択だったと思います。しかし、日産スタジアムでは交通機関その他の遅れはあったものの試合は無事開催することができました。
 この原動力となったのが、芝生の下の土中30?に埋設されたフィールドアンダーヒーティングシステムです。
 このシステムは、過去の気象データーと現在の気温、地温、湿度等からコンピューターが自動解析し、設定された地温を予測して土壌温度をコントロールするものです。  そして、この解析データーの一つである土中水分を測定する計器が約8000?のフィールドに12個埋設されていますが、設置してから既に14年近く経過しているため年々精度が落ちて、制御精度にも影響が出ているので、初めて交換することにしました。 

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<金属探知機で土中水分計の埋設箇所を探します> <ようやく掘り中てたセンサーを交換します> 

 かなり高性能な金属探知機を使って地中に埋設された土中水分計の在りかを探り当てますが、これがなかなか見つかりません。
 業者さんも苦笑いどころか、冷や汗ものです。何せ、1箇所中てるのに芝生面に直径30?ほどの穴を3?4箇所位ずつ空けます。日産スタジアムの芝生をここまで深く掘った経験は私たちも初体験です。まだ4個所未発件ですが、作業日は後1日。果たして終わるのでしょうか。
 段々、笑えない状況となってきましたが、終わったらまた報告します。