新横浜公園にヘイケボタルの幼虫を放流しました。放流された幼虫は上陸し蛹になり
おおよそ1ヶ月で成虫になり、空に飛びだします。
この時期、自然状態のヘイケボタルは、まだ、上陸しません。でも、今回放流した個体
は違います。水温や餌の増減により生育状態がコントロールされ、この時期放流しても
十分に上陸に耐えうる体が出来て(つくられて)いるものを放流しました。
なぜ、そのようなことをしたのか、その理由ですが、昨年は放流幼虫の数に比して発
生数が極端に少なく、ちょっと残念な思いをしました。発生数が少ないことの原因はま
だ特定できていませんが、6月の地温の上昇が蛹になったヘイケボタルにダメージを与え
たのではないか、との推論があり、試しに、今年は放流時期を1ヶ月早め、蛹を地温上昇
から守ろうとしたものです。
新横浜公園は遊水地と言うこともあり、地温上昇を抑える木陰がありません。盛夏、水
路際の地表面は40度近くになります。また、地中に潜った蛹は冠水にも弱いのです。
今回のような工夫で、ヘイケボタルの発生数が増えるかどうかの結果発表は1ヶ月後です。
↑ ヘイケボタルを放流した場所の全景です。
去年も同じ場所に放流しました。去年は放流数に比べ発生数が少なかったのですが
その中でも発生数の多かった場所です。ヘイケボタルの上陸に向いている場所だと
思っています。
【左側写真】放流したヘイケボタルの全部です。総数5000です。
これだけのヘイケボタルの幼虫をこの時期に揃えることのできる飼育技術は驚嘆
に値します。それとも、ヘイケボタルも家畜化していると言うことでしょうか。
【右側写真】手ですくって放流します。終齢幼虫です。ここまで大きくなっていると放流後
すぐに上陸行動に移ります。夜、様子を見たところ湿地(水中ではありません)
に小さな光が点々と光っていました。