スタッフブログ|日産スタジアム
新横浜公園生き物観察日記(8)
2007/12/28
 

寒い中のタンポポです

★ 写真 寒い中のタンポポです
撮影日時: 平成19年度12月26日
場  所: 新横浜公園北側園地、多目的グランド水路側

北側園地に冷たい風が吹いています。風は草の生気を吸い取りカサカサと音を立てて吹きすぎます。北風に波打つ葦原は松尾芭蕉の「旅に病で夢は枯野を駆け廻る」ではありませんが、これから来る寒く、厳しい季節を予感させる風景です。でも、枯れた景色の中に花を咲かすものもいます。タンポポです。風に負けまいとして背を屈め、太陽の陽射しをいっぱい受けるために葉を目いっぱい広げ、地面にへばりついて冬をやり過ごそうとしています。セイヨウタンポポです。在来種のカントウタンポポに比べ、乾燥に強く繁殖力も旺盛ですが、外来種と言うことで、なんとなく疎んじられる存在です。原産地はヨーロッパで、英名は「DANDELION」。葉のギザギザがライオンの歯に似ているとのことですが、タンポポのイメージがライオンにどうも結びつきません。
そう言えば、東京に「ダンデイライオンズ」と言うラグビーチームがあったように記憶していますが、そのチームのエンブレムは確かにタンポポの花だったように思います。
イギリスのラグビー代表チーム名は「ブリテッシュライオンズ」それを模して付けたとのことですが、同じライオンでもずいぶん違います。
でも、草の上でやるラグビーと草原に咲くタンポポ、意外に近いのかもしれません。

北側園地の流れ
北側園地の流れ。薄く氷が張っているのが分かるでしょうか。手前の白いのが霜です。
霜柱
霜柱です。

★写真  流れに薄氷がはりました
撮影日時:平成19年12月21日
場  所:北側園地、多目的運動広場南側水路

 地球温暖化とは言え季節は冬、遠くに見える富士の山も真っ白です。
 新横浜公園を吹く風も冷たく、公園の木々もあらかた葉を落とし、空が広くなりました。
 北側園地は遮るものもないので、特に冷たく感じます。北側園地の水路には今年2度目の氷が張りました。薄くて柔らかい、脆い?ので指で押すと簡単に割れる、と言うよりへこむ感じです。黒土の上には霜柱が立っていますが、力なくすぐ崩れてしまいました。
 冬はまだ始まったばかりで、氷が薄いのは温暖化のせいばかりではないと思いますがこの程度の寒さでも水の中の生物の動きを止めるには十分で、水の中に生き物の気配はありません。来年の春までひと眠りといったところでしょうか。では、良いお年を。

新横浜公園生き物観察日記(7)
2007/12/05
 
タコノアシ

★ 写真 タコノアシです。
撮影日時:平成19年度11月28日
場   所:新横浜公園北側園地、ヘイケボタルの保護区内

 「タコノアシ」といわれても何のことか分からない。普通はそうですよね。でもこの植物は環境省のレッドデータブックの絶滅危惧種?類に分類されている貴重な植物なのです。
 ?類とは将来絶滅が危惧される種のことで、今から保護が必要とされる植物です。
 タコノアシは多年草で、繁殖力もそんなに弱くはないのですが、他の植物との競合に弱く、大雨などで競争相手が押し流されるような土地でないとうまく育たないそうです。
 新横浜公園は遊水地でもあるので、適度に冠水もありタコノアシには暮らしやすいのかもしれません。蛸だから水に強いというわけではなさそうです。でも、その名の由来も蛸に関係があり、花の付き方が蛸の吸盤の付いた足に似ているからだそうですが、秋になると紅葉し「ゆでだこ」のように赤くなるからというのはちょっと出来すぎではと思います。
 休耕田などでは時々見ることはありますが、どこから来たのでしょう。糸の切れた凧ではなく、末永く新横浜公園に根付いてほしいと思います。
 今のところでは、新横浜公園内で一番珍しい植物ではないでしょうか。

新横浜公園生き物観察日記(6)
2007/11/24
 
麦  麦

★ 写真 麦畑です(手前が小麦で奥が大麦)
撮影日時: 平成19年度11月22日
場  所: 新横浜公園北側園地、多目的グランド池側

北側園地に麦を蒔きました。大麦と小麦で面積は広くはありませんが、もう緑の芽が出ています。芽立ちが不ぞろいなのは蒔き方が下手だけではなく。蒔いた種をカラスが食べてしまったからで「♪権兵衛が種まきゃカラスがほじくる」を地でいったものです。この話分かりますかね?昔は人と鳥の関係ももっと親密だったということでしょうか。ちなみに大麦より小麦のほうがカラスの好みに合うようです。
麦は食料となる穀物の代表的なもので、ここ小机、新羽地区でも以前は水田裏作によく栽培されたものです。冬の寒さに耐え、春に実りの恵みを与えてくれるその生活史が人の心を捉えるのか、宗教訓話や人生訓などでよく喩えに出される植物です。農作業の「麦踏」などは冬に育つ植物ならではです。そんな風景も見なくなって久しくなりますが、そう言えば霜柱もしばらく見ていませんね。麦踏は霜柱により麦の根が浮くのを防止するための作業です。

菜の花  菜の花

★ 写真 菜の花を植えました。
撮影日時: 平成19年11月22日
場  所: 新横浜公園北側園地、多目的グランド池側

北側園地に菜の花を植えました。秋のコスモスの後を継いで、来年の春には黄色の花を咲かせてくれるでしょう。北側園地のランニングコースの彩にもなります。
菜の花はご存知のように、菜種油の原料です。今では調理用の食用油でお馴染みですが、昔(電気が普及する前)は灯明の燃料としても大切なものでした。今では国産の菜種油も少なくなり「一面の菜の花畑」を見ることも少なくなりましたが、東海林太郎の「野崎小唄」の歌詞ではないが「♪野崎参りは屋形船でまいろ どこを向いても菜の花ざかり?」そんな景色を見てみたいと思います。
菜の花は春咲く花ですが、北側園地にはハナナ(花菜)も蒔いてあります。ハナナはまだ寒いときから咲き始め、蕾を食べることが出来るので人気があります。もっともアブラナとは違う品種で「チリメンハクサイ」の改良種とのことです。栽培の歴史は浅く、三重県桑名市長島農協が昭和40年代に大量に栽培を始め、それ以降長島町はハナナ(ナバナとも言います)発祥の地と呼ばれているそうです。

新横浜公園生き物観察日記(5)
2007/11/07
 

コナラの木  コナラの実
★写真 コナラの実です
撮影日時:平成19年10月19日
場   所:日産フィールド小机スタンド脇

 公園には沢山の樹木が植えられていますが、実のなる樹は意外と少ないのです。でも、花が咲けば実はなります。ただ、食べられる実のなる木が少ないだけです。
 木の実と聞くと秋の季節、黄葉を連想しますが木の実の落果は樹木の葉がまだ青いときに始まります。日産フィールド小机のコナラも葉はまだ青々しているのにどんぐりを沢山路上に落としています。アスファルトの上では芽生えることも出来ませんが、落果は落ち葉に先駆けて始まり、気が付いたときには木の上にはありません。
 実りの秋は私たちが考えているより、少し早く始まっているようです。

新横浜公園生き物観察日記(4)
2007/10/17
 

ヒガンバナ(彼岸花)

★写真 ヒガンバナ(彼岸花)が咲きました
撮影日時:平成19年10月1日
場  所:北側園地、野球場と多目的運動広場の間の芝生の中

 今頃になると突然地面から首を出し真っ赤な花を咲かす。
 呼び名は沢山あるようですが、我々は普通、ヒガンバナかマンジュシャゲ(曼珠沙華)と呼んでいる。ヒガンバナ科、学名はLycoris radiate。リコリスの名で園芸店でも見ることができます。新横浜公園の北側園地にも植栽されたものが花を咲かせていますが、数も少なく見栄えはいま一歩と、言ったころ。
この花が好きなお嫁さんが、嫁ぎ先の仏壇に供えたところ、姑に叱られたとの話を聞いたことがある。しかし、曼珠沙華の語源は法華経の梵語(サンスクリット語)に由来し「天上に咲く花」を意味するとのこと。日本では忌み嫌われることの多いヒガンバナも仏様の故郷では「蓮の花」と並んで天上を彩る大切な花とのことなので、叱ることはないのではとお嫁さんに同情したりもするのですが、彼の地インドに「ヒガンバナ」はないとの話もあるようなので、ハテ、どうしたものでしょうか。
話は変わりますが、埼玉県日高市の巾着田のヒガンバナは見事だとのこと。実物は見たことはないのですが、一度見てみたいと思いました。


オミナエシ(女郎花)

★写真 オミナエシ(女郎花)を植えました
撮影日時:平成19年10月1日
場  所:北側園地、野球場外野(センター)の水路わき

 オミナエシと言えば秋の七草のひとつ。黄色の小さな花を咲かす植物ですが野生ではあまり見かけません。整備前の新横浜公園北側園地にはあったとの話を聞きますが、今はありません。オミナエシ科。オミナとは「美しい女性」のこと。「女郎」の字をあてられるとイメージが変わります。同じ仲間で「オトコエシ」というのもありますが、こちらは美男かどうかは分かりません。
お月見の頃になると花屋さんの店先に並ぶこともありますが、すぐに店の隅に追いやられよく探さないと手に入れることは出来ません。そんなオミナエシが偶然手に入りました。
 群馬県昭和村の方がお土産に持参して下さり、日産スタジアムの歳時記イベント「秋の夜長の鑑賞会」に花を添えてくれました。
 今は北側園地の隅で余生を過ごしていますが、来年はもっと大きな株となり、見栄えのする沢山の花を咲かしてくれると期待しています。
 それにしても、なぜ、隅っこなんでしょうか?


イヌビエ(犬稗)

★写真 実りの秋のイヌビエ(犬稗)です
撮影日時:平成19年10月1日
場  所:北側園地、未整備区域内

 実りの秋です。田んぼでは稲刈りが始まり、野の草にも秋の風情が漂います。
 新横浜公園に田んぼはありませんから、稲の実りを見ることは出来ませんが、水田雑草の代表のような「稗」を水路沿いや整備予定地に見ることが出来ます。
 水田耕作の敵(かたき)役としてしか評価されない気の毒な存在ですが、寒さに強く稲の育たない場所でも実りを得る事が出来るので、昔は飢饉時の食料として各地で栽培されていたようです。イネ科ヒエ属で、稗にも何種類かがあり、新横浜公園北側園地の稗はイヌビエと言って栽培用の稗とは違うようです。「イヌ」の名は、役に立たないとか、取るに足らないとかあまり良い意味には使われないようですが、確かに、粒も小さく量を集めるのに苦労しそうです。
 でも、実りの秋は等しく生き物に訪れるようで、スズメ達の格好のエサとなり、今日も鳥たちの賑やかな鳴声が響いています。給食が楽しいのは人だけでなく「すずめの学校」も同じようです。

新横浜公園生き物観察日記(3)
2007/07/29
 
ハイイロゲンゴロウの住まい

★写真 ハイイロゲンゴロウの住まい
撮影日時:平成19年7月21日
場  所:日産フィールド小机から野球場へ向かう歩道の水溜り

水溜りがあればそこには何らかの生き物の影があるのはわかっています。でも、なぜこんな所にと思うこともあります。それほど快適とも思えないところに、何を好き好んで棲むのだろうと。
 それも、新横浜公園の園路のマンホールの水溜りに。車に轢かれるかもしれないのに。
でも、その割にはスイスイと楽しそうに(私にはそう見えます)泳いでいます。
住めば都という言葉も知っています。でも、チョッと無用心すぎないかな。
その住人の名前は「ハイイロゲンゴロウ」図鑑の説明によると水草の少ない浅い水域を好むとあります。生息範囲も広く環境への適応性も高いそうですが、あくまで仮の住まいであり永住の地ではないとのこと。
私があれこれ心配することではないようです。



ムクゲ(木槿)の花ムクゲ(木槿)の花

★写真 ムクゲ(木槿)の花
撮影日時:平成19年7月25日
場  所:日産フィールド小机外周園路脇

 今、新横浜公園の日産フィールド小机の外周園路脇に白い花が咲いています。
 ムクゲの花です。
芙蓉の花に似ています。似ていて当然同じ仲間です。アオイ科フヨウ属でタチアオイもお仲間です。
 ムクゲの花はそんなに珍しい花ではありませんが、朝に咲き夕方には萎んでしまう、そのはかなさが人の心をとらえるのか人気のある花です。
しかし、花のはかなさとは違い樹は案外丈夫です。乾燥やキツイ剪定にも強く花付も良いので生垣に使われたりもします。
ご存知のように韓国の国花でもあり、ここに植わっているのは、2002年のワールドカップ「korea・japan」の決勝の舞台がここ日産スタジアムだったことに由来します。それを記念して植栽されたそうで日韓友好の証ということでしょうか。
皆の関心は次回2010年のワールドカップ「南ア大会」に向かっております。大いに盛り上がってもらいたいと思います。この地が火と燃えた2002年の記憶とともにムクゲは今日の暑さにも負けず白い花を咲かせています。


新横浜公園生き物観察日記(2)
2007/07/20
 
モクゲンジ モクゲンジの実

★写真「モクゲンジ」の実
撮影日時:平成19年7月13日午前11時
場  所:浜鳥橋から東ゲートに至るアプローチ沿い

先月お知らせした「モクゲンジ」の続きです。花も終わり実がなりました。花も目立ちましたが実も目だっています。何かに似ていますがハテなんでしょう。フウセンカヅラやホウズキの実にも似ていますが、紅茶のティーバッグにこんなのありませんでしたっけ。
割ってみると中に青い小さな種が入っていました。数は実によって違いますが2?3粒が平均でしょうか。
 次にはどんな姿を見せてくれるか楽しみです。
 また、お便りします。

新横浜公園生き物観察日記(1)
2007/07/02
 

散策を楽しめます

モクゲンジの花

★写真「モクゲンジ」の花   
撮影日時:平成19年6月21日午後2時   
場  所:鳥浜緑地の高架園路沿い (地図 1)

今、スタジアム入口(鳥浜緑地)に黄色い花が咲いています。聞きなれない名前で「モクゲンジ」と言います。ムクロジ科の落葉小高木で別名「センダンノハボダイジュ」で、そう言われれば葉の型はセンダンに似ています?花はボダイジュに似ているでしょうか。
この時期公園内で咲く花は少ないので目立ちます。
 園内を散歩している人が首をかしげて見ています。写真を撮っていると声をかけられ、名前を聞かれました。名前を言うと納得され、大船のフラワーセンターにもあるとおっしゃっていました。皆さんよく御存知なので驚きました。
ちなみに園内では小机側園路わきにも4本あります。他にも変ったものでは「ヒトツバタゴ」があり、別名「ナンジャモンジャ」、白い花が咲きます。残念ながら花の時期は5月で終わってしまいました。来年をお楽しみに。                              
   

カルガモの親子

★写真 カルガモの親子
撮影日時:平成19年6月21日午後3時 
場  所:北側園地 多目的運動広場 東側水路 (地図 2)

 人間が近づくとカモが警戒して草の茂みで動かなくなってしまいました。子供達も親の羽の下に入って、人間が行きすぎるのをじっと待っていました。

アカミミガメの産卵跡

★写真 アカミミガメの産卵跡
撮影日時:平成19年6月18日午後3時   
 場  所:日産フィールド小机東側芝生 (地図 3)

6月18日(水)園内を巡回中に犬を散歩中の方から声をかけられました。
「カメが卵を生んでいる。保護してほしい」方からで、現地まで案内してくれました。その場所に行ったところ、そこにカメはおらず、産卵跡だけがありました。土を10cmくらい掘ると白い玉子ピンポン玉(そんなに大きくない、直径1cmくらい?)が見えました。物の本によると2?3ヶ月で孵化するとのことです。

ビロードモウズイカ

★写真 ビロードモウズイカ
撮影日時:平成19年6月27日午後4時
場  所:北側園地の工事予定地の園路わき (地図 4)

ビロードモウズイカと言います。別名ニワタバコ。(学名 Verbascum thapsus、
科名 ゴマノハグサ科モウズイカ属、原産地 地中海沿岸)

そう言えばタバコの葉に似ています。地中海地方の帰化植物ですから、荒れた乾燥した所でよく育ちます。鉄道の線路沿いか港の荷さばき場、横浜港の埠頭では良く見かけられますが、整備されるとなくなってしまいます。新横浜公園の北側園地工事予定地の園路わきに1本生えていました。周囲をさがしましたが残念ながら1本だけでした。でも繁殖力はありそうなので来年にはもっと沢山の花が咲くかも知れません。


※ お客様へのお願い:公園内の草木や生物をとらないでくださいね。


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