芝生観察日記の第四十五話です。
平成24年8月29日(水)
厳しい残暑が続いています。
8月ももう少しで終わりですが、日産スタジアムの夏はまだ終わりません。
9月1日に予定されている矢沢永吉さんのコンサート開催に向けて、昼夜を問わず設営作業が行われています。
日産スタジアムの芝生ピッチは、夏芝と冬芝を併用しています。猛暑日が続いている今年の夏は、夏芝にとっては願ってもない天気のようですが、実はそうでもありません。
これまでの期間で、正直言って夏芝の仕上がり状態は、我々グリーンキーパーの思う通りに行っていないのです。
原因は今年の春から夏にかけての天候が影響しています。
夏芝が動き出す4月から5月の日照時間が少なく、雨が多かったこと。例年は蒸し暑く冬芝が衰退し易い 梅雨入り後の天気が、予想外に爽やかだったこと。この2点が主に影響して冬芝がなかなか枯れずに残ってしまい、夏芝の勢いが出ませんでした。
そのため、下の写真のように芝は薄い部分が所々に見られます。これは冬芝が衰退して枯れた後のすき間です。我々の予想では今回のコンサート前までに全面夏芝で覆っていることを目標に管理してきたので、目標を達成できず少し残念です。
幸い、残暑はまだ続くようなので、コンサート後の回復を含めて、9/15のJリーグには万全の状態にしなければなりません。芝生が薄い部分に夏芝の匍匐茎が一生懸命伸びているので、我々も管理作業をしっかり進めて強い芝生に育て上げます。
コンサート後の状況はまた綴ります。
★写真:ミンミンゼミ
撮影日:平成24年8月29日
場 所:東ゲート橋入口イチョウ
セミの鳴き声を想像した時、ミンミンゼミの鳴き声を想像する人が多いと思います。鳴き声も姿も大きいセミは、正に夏の風物詩ではないでしょうか。ミンミンゼミは日本全国どこでも見ることができ、先日ブログに載せたアブラゼミと並んで一番ポピュラーなセミです。「ミーンミンミン・・・」という大きな鳴き声で新横浜公園内のいたる所で鳴いています。残り少ない夏を感じるために、是非、鳴き声を辿って探してみてください。
★写真:東ゲート橋入口花文字マリーゴールド
撮影日:平成24年8月27日
朝晩は以前に比べて過ごしやすくなり、秋の気配を感じるようになってきました。しかし、日中は35度を超える暑い日が続いています。少し早いですが、東ゲート橋入口の花文字が秋仕様になりました。春から夏の間、「WORLD CUP 2002」という文字は白いインパチェンスが彩っていましたが、秋からは黄色いマリーゴールドが彩ります。
新横浜駅からご来園される方の多くは東ゲート橋をわたって日産スタジアムにきます。試合前やイベント前、また新横浜公園にご来園の際は是非、ご鑑賞ください。
★写真:ニイニイゼミ
撮影日:平成24年8月22日
場 所:投てき場外周ヤナギ
8月下旬に入り残暑が厳しい気候が続いています。その暑さの中、公園内はセミの鳴く声がよく聞こえます。
写真のニイニイゼミはアブラゼミなど他のセミと比べて、小型で全体的に丸い形をしています。幼虫は泥をかぶっているのが特徴で、木の根元付近で羽化します。初夏から「チー」と鳴き始め、8月までが見頃です。9月になると中々見られない種ですが、今年は晩春まで肌寒い日が続いたので、残暑も遅くまで残れば、まだまだ見ることができるかもしれませんね。
残り少ない夏休み、是非、セミや生き物を探しに新横浜公園へ来てください。
★写真:コバネイナゴ
撮影日:平成24年8月15日
場 所:北側園地田んぼ
バッタ目バッタ科イナゴ属のコバネイナゴです。町内会の方々と日産スタジアム運営ボランティアさんが管理している田んぼで発見しました。イネ科の植物の葉を食べるため、害虫とされ、水田や草原に多く見られます。イナゴの中では一番ポピュラーなイナゴで、佃煮として食べられることもあります。夏から11月頃まで見ることができます。
コバネイナゴがいた北側園地の田んぼは、地域の方々が6月に田植えをしました。まだ穂は出ていませんが、背丈を伸ばし、どんどん成長しています。穂をつけ黄金色の風景が広がるのが楽しみです。
左:6月9日田植え作業後の稲の様子
右:8月15日現在の稲の様子
日産スタジアム運営ボランティアの皆さんにソバの種を播いて頂きました。場所は北側園地ヒマワリ畑の横です。
前もって耕運した畑に化成肥料を播き、その後、ソバの種を播きました。今回はボランティアさんが用意した信州の食用ソバと日産スタジアムで用意した緑化用ソバの二種類の種を播きました。
ソバの種を播種後、種が地中に入るように土を被せて完成です。二種類のソバがどんな花を咲かせるのか楽しみです。日産スタジアム運営ボランティアさんには、イベントのサポートだけでなく、今回播いたソバや水田、アサガオ、コスモスなど、公園内の植物管理を手伝って頂いています。みなさんもご一緒に汗をかいて、魅力ある公園をつくりに参加してみませんか。運営ボランティアさん大募集中です。
最後に恒例となりました集合写真です。みなさんお疲れ様でした。
★写真:トロロアオイ
撮影日:平成24年8月10日
場 所:北側園地ヒマワリ畑
トロロアオイの花が咲きました。写真の通り、トロロアオイの花は、前回の花の便りブログで紹介したワタの花に似ています。新横浜公園のワタは和ワタといい、花は下向きにつけるためきれい見えません。そこで、ワタの花に似たトロロアオイを昨年播きました。今年は播いていないのですが、昨年落した種から自然に育ち花をつけました。大きくきれいな花を咲かせますが、一日花なのでなかなか見ることができないかもしれません。ヒマワリに紛れて咲いていますので、是非探してみてください。
★写真:ワタ
撮影日:平成24年8月9日
場所:北側園地ヒマワリ畑付近
昨年、子供達に綿摘み体験をさせたいという地域の方々の思いで、公園内でワタを栽培しました。今年も綿摘みを体験してもらうため、昨年採れた種を6月下旬に播いて、花を咲かせました。今はまだ、草丈も低く花も目立たないですが、これから多くの花をつけていきます。花が萎れたあと、秋に綿をつけます。綿は種を守るための果肉部分で中に種が入っています。今年も子供達に綿摘みを体験してもらうため花や綿は採らないようお願いします。
★写真:ヒマワリ
撮影日:平成24年8月3日
場 所:北側園地
猛暑日が10日以上連続で続いています。そんな暑い夏の花の代表といえば「ひまわり」ですよね。6月上旬に播いた種が背丈を伸ばし、ようやく花を咲かせました。つぼみまでは太陽の方向に向かっていますが、花が咲くと東の方向を向いて咲きます。新横浜公園で言うと、ヒマワリ畑から日産スタジアムを見る方向です。まだ、ほとんどのヒマワリがつぼみですが、間もなく一斉に咲くので是非見に来てください。畑の中には入れませんが、ロープで区切って園路を設けていますので、是非その園路から眺めたり写真を撮ったりしてください。
★写真:コクワガタ
撮影日:平成24年7月29日
場 所:北側園地園路沿いヤナギの木
新横浜公園にクワガタが来ました。男の子だったら一度はあこがれるクワガタムシ。森に入って、クヌギやコナラの木にクワガタやカブトムシがいないか探した人も少なくないのではないでしょうか。今日確認したのはクヌギでもコナラでもなくヤナギの木です。カミキリ虫などが幹に傷をつけ、そこから蜜がでていました。発見したのは10時過ぎのことでした。クワガタやカブトムシは夜行性で夜探すイメージがありますが、コクワガタは昼も活動します。園内にはヤナギの木の他にクヌギやコナラの木が植栽されていますので是非探してみてください。蜜が出る場所は蜂も吸いに来ますので注意してくださいね。