芝生観察日記の第六十八話です。
平成27年4月23日(木)
4月も後半となり、芝生も勢いが増してきました。
しかし、今年の4月は芝生の生育にとても重要な太陽の光が記録的に少ない状況となっています。日射計のデータを見ると、日照時間が過去10年の平均値の60%程度となっており、寒地型のペレニアルライグラス(以下、ライグラス)と暖地型のティフトン419(以下、ティフトン)それぞれに影響が出ています。
曇天で日照時間が少ない上、降雨が多いためライグラスは著しい伸びが見られる反面、暖地型のティフトンは日照時間が少なく、気温が低いため例年ほど表面に芽を出していません。
この時季、管理作業の重点はライグラスの生育を抑制し、休眠から明けたティフトンを地表に出す芝種の切り替えを目的としたトランジション作業です。
ランジション作業の代表的な作業が上の写真のように回転刃で芝生の密度を梳くサッチング掛けです。これから夏に近づくと私たち人間も髪の毛を梳いてスッキリしたくなりますよね。
ライグラスの密度が多くなり過ぎると地際に光が当たらず、地温も上がらないためティフトンが表面に顔を出すことができません。そのため、機械を使って意図的にライグラスの密度を調整してティフトンが出易い環境を整えています。
上の写真は、サッカーで傷ついた裸地からティフトンが出始めた状況です。まだまだ例年と比べるとティフトンの割合が少ないのが懸念されるところです。5月末までにライグラスとティフトンの割合が50%ずつとなることを目標に管理していきます。