観察日 : 2022年 11月18日(金)
場 所 : 大池
生きもの: コガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、オオバン、バン、ノスリ、ゾウミジンコの仲間
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
すっきりとした青空。ソメイヨシノやエノキなど、落葉樹の紅葉が映えます。大池は、11月に入ってようやく冬鳥のカモ類や、オオバンが多く見られるようになってきました。
常連のコガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロの多くは、対岸のガマやアシなどが生える水際で休んでいましたが、観察していると徐々に水面に展開して泳いで移動したり、餌をとり始めました。数は、コガモ15羽、オカヨシガモ10羽、ハシビロガモ40羽、キンクロハジロ3羽ほどでした。
手前黄色はエノキ。池沿い奥がソメイヨシノ
オカヨシガモ(カモ科) コガモ(カモ科)
換羽(かんう)が終わるまでもう少し
キンクロハジロ(カモ科)
ハシビロガモ(カモ科) 採食している様子
ハシビロガモは、特徴的な幅広の嘴を水につけ、プランクトンを濾しとって食べるといわれています。夏の大池にミジンコ等のプランクトンが多いことは、生きもの観察会の顕微鏡観察で確認していましたが、冬はどうでしょうか。プランクトンネットを使って調べてみました。ネットを投げて、4mほど引いた結果は写真のとおり。ものすごい数のプランクトンがとれました。顕微鏡で見ると、ほとんどがゾウミジンコの仲間。冬もこれだけの食べものがあるのであれば、ハシビロガモが多く飛来することにも納得です。
すごい数のプランクトン ゾウミジンコの仲間
※新横浜公園四季折々の生きもの観察会 第1回「池の生きものを観察しよう!~微生物編~」で顕微鏡の観察を行いました。その様子も是非ご覧ください。
https://www.nissan-stadium.jp/blog/2021/06/20216191.html
黒い羽色に、白いひたいと嘴が特徴的なオオバン。集団で岸辺の草地に上陸して草を食べる風景が、また見られるようになりました。オオバンは秋から春にかけての越冬シーズンを過ごします。同じクイナの仲間で留鳥のバンは、成長と幼鳥を見ることができました。
オオバン(クイナ科) 集団で草を食べている様子
バン(クイナ科) バンの幼鳥
越流堤防下流側の河川カメラの上にとまっているノスリ。やがてハシボソガラスが3羽やってきて、モビング(疑似攻撃)を始めました。かすめるように飛んだり、鳴いたりしますが、ノスリはカラスの様子を伺うも手出しすることはなく、どっしり構えて受け流しているようにも見えました。肝がすわった沈着冷静なノスリでした。
ノスリにモビングするハシボソガラス