水と緑が豊かな環境を持つ新横浜公園は、多種多様ないきものが生息しています。中には珍しいいきものも生息しており、そんな多種多様な新横浜公園のいきものを地域の方々に知っていただく機会として、「新横浜公園四季折々のいきもの観察会」を昨年度から開催しています。
このイベントでは年5回の観察会を予定しており、奈良造園土木株式会社様のご協賛により成り立っています。また、鶴見川流域ネットワーキングさんに講師を依頼しています。その第1回目となる「初夏をつげる鳥オオヨシキリ観察と水路の自然回復体験」を5月21日(土)に開催しました。
まずは、オオヨシキリの観察です。オオヨシキリという鳥は、初夏から日本にやってきて「ギョギョシー、ギョギョシー、ギョギョギョ・・」と鳴く鳥です。神奈川県の繁殖では絶滅危惧Ⅱ類に指定されている鳥ですが、新横浜公園には毎年やってきます。
元気に鳴いているので、だいたいの位置はわかりますが、なかなか見つけられませんでした。休憩中に柳の木に止まっているオオヨシキリの姿を見ることができました。木の中に入ってしまうとなかなか見つけるのが難しい鳥です。
続いては水路の自然回復体験です。ヨシ原に営巣するオオヨシキリにとってヨシが繁茂する場所が重要になります。しかし、最近はセイタカアワダチソウという外来植物が繁茂し、ヨシ原が減ってきています。セイタカアワダチソウは他の植物の生育を阻害する物質を根から出すことで、生育範囲を拡げていきます。そのため、根からしっかり抜き、ヨシやオギなどの日本在来植物を守る作業を行いました。参加者全員とスタッフで15分行っただけの作業ですが、大分すっきり除草できました。
除草体験中
除草した後、そのままにしてしまうと、すぐにセイタカアワダチソウが生育してしまうため、その場所にチガヤという植物を移植しました。チガヤの穂は鳥の巣材になる重要な植物です。穴掘りは力持ちのお父さんたちの役目です。掘り取ったチガヤと同じサイズの穴をあけたら、移植し、土を踏み固めます。そして最後に水を与えて、この観察会は終了です。
今回は初夏らしい陽気の中での観察会となり、作業をすると少し汗をかくほど気温も上がりました。運よくオオヨシキリを見られた方はご満足いただけたのではないでしょうか。 次回の四季折々のいきもの観察会は7月23日(土)開催予定です。詳細が決まり次第、ホームページやメールマガジンで案内します。是非ご参加ください。