新横浜公園生きもの観察日記258

観察日 : 2017年 2月22日(水)

場 所 : スケボー広場周辺、減勢池(大池)周辺

生きもの: キジバト、ムクドリ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

  

 寒い日が続いたり、急に暖かくなったりする今日このごろ、なかなか昆虫が見つからないため、今回は身近な鳥と、その名前の由来について書きます。

 

 さて、まずは身近な鳥の代名詞と言っても過言ではないハトの仲間、キジバトです。茶色く地味な体色で、「キジ」と「ハト」の名を併せもつ(りゅう)(ちょう)(※1)です。名前の由来は、キジのメスに似た体色と模様からきているようです。

※1(りゅう)(ちょう)とは:年間を通して同じ場所に生息し、季節による移動をしない鳥のこと 

  

 「ハト」そのものの名前の由来はご存知でしょうか?これについては諸説あるようで、漢字の「鳩」は中国語で「キュウ」と発音されるのですが、その発音が鳩の鳴き声「クウクウ」に似ているから「九」+「鳥」でハトになったという説や、羽ばたきの「パタパタ」という音から「ハトハト」→「ハト」になったという説まで様々なようです。

 
  
首を見ると水色と紺色の模様がついていますが、これは大人の証拠。幼鳥にはなかったり、はっきりと模様が出ないので、身近な鳥でもこういった所を見てみると面白いですね。

キジバト.jpgキジバト

 続いては、ムクドリです。スズメとハトの中間ぐらいの大きさで、(くちばし)がオレンジ色、灰色~黒色といった体色の留鳥です。

 

 名前の由来は、一般にムクの木の実を好んで食すことから「(ムク)(ドリ)」になったと言われますが、他にも説があり、ムク以外にも熟した柿やその他幅広い食性を持っているため、大群を形成する様子から「群木鳥(ムレキドリ)」や「群来鳥(ムレキドリ)」が略されたものが由来になったとも言われています。

 

 様々な種類の実を食べ、種子は糞やペリット(※2)として出されますので、種子散布能力がとても高い鳥ともいえます。ときには数万羽の群れとなり、集団でねぐらに戻るため、その周辺地域が糞害にあったり、「ギャーギャー」「ギュルギュル」と大きな声での鳴き交わしの騒音被害にあったりと、社会問題化している地域もあります。しかしこれは、かつてねぐらとしていた防風林や河畔林が少なくなってきたためであり、数自体が増えているわけではなく、小規模な集団ねぐらが増えてきているといった状況にあるようです。

 ※2ペリットとは:鳥が一度食べたものの、消化されずに固まり(羽毛など)にして吐き出したもの

 

 今回は2種でしたが、機会があれば、他の身近な鳥たちも紹介します。みなさんも、身近な鳥たちを名前の由来を考えながら探してみてはいかがでしょうか?

ムクドリ.jpgムクドリ

キジバト場所.jpg