新横浜公園生きもの観察日記286

観察日 : 2018年 4月15日(日)

場 所 : 園内遊具広場周辺、第3駐車場周辺

生きもの: ニッポンヒゲナガハナバチ、オカダンゴムシ

植  物: ヤセウツボ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 先月9日に鶴見川の水が遊水地に越流してから早1ヶ月。暖かい日が続き、日によっては真夏日目前という異常な暑さに私は少し参っていますが、生きものたちは日向ぼっこをしたり、元気に動き回っていたりと、活発になってきました。今回は久々に私の好きな昆虫も含め、春に見られる生きものをご紹介させていただきたいと思います。

 

 まずは、奇妙な植物、「ヤセウツボ」です。

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 「これ、なんだ?」約4年前、初めてこの植物を見た時はこう思いました。図鑑やインターネットで調べたり、植物の知識豊富な方々にお聞きすると、ヤセウツボというマメ科やキク科植物に寄生する植物だということがわかり、「寄生」という生態の植物がこんな身近にあるということにとても驚きました。この植物には葉緑素がないため、全体的に薄い紫色~褐色をしています。花の形状も唇形で、その形のまま人間大のサイズにしたらSF映画にでも登場しそうなデザインです。しかし、大きく育っても50cm前後くらいだそうで、一般に見かけるのは1520cmくらいです。元々は南ヨーロッパ原産で、牧草に紛れて1930年頃に日本に入ってきたようです。牧草や農作物に寄生すると、その成長を阻害するため、環境省の外来種旧カテゴリでは要注意外来生物に指定されていました。

 

 続いては、新横浜公園で普通に見られるミツバチの仲間、「ニッポンヒゲナガハナバチ」です。

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 タンポポの花粉を集めに来たのか、そちらに夢中で全くカメラを気にしていませんでした。写真のように触角が長いのはオスで、メスは短いです。全然「ヒゲナガ」ではないので、別種のように見えます。写真の個体はオスで花に夢中になっていたため大丈夫でしたが、メスは他のハチと同様に針を持っていますので、刺されないようご注意下さい。

 

 最後は、子どもたちの良き遊び相手、「オカダンゴムシ」です。

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 大変身近な生きもので、子どもの頃に、たくさんつかまえた経験のある大人の方も多いのではないでしょうか?ですがこのオカダンゴムシ、実は外来種といわれています。原産はヨーロッパで、明治時代に船の積み荷に混じって日本に入ってきたとされています。ただ、外来種とはいっても、特別悪さをするわけではないので、必死に駆除する必要はありませんのでご安心下さい。庭先のプランターや石の下など、様々な場所で見られる生きもので、落ち葉や枯れた植物、小動物の死骸などを食べて分解し土に還してくれる「分解者」です。このおかげで、土が良くなり、多くの生きものたちが暮らしていけるようになる、といっても過言ではないでしょう。ダンゴムシや、よく似たワラジムシは、生きものたちのつながりの基盤を支えるという大変重要な役割を担う、「縁の下の力持ち」的存在なのです。

 

 暖かい日が増え、生きものたちの活動も活発化してきました。しかし、ハチやヘビといった毒を持つ可能性のある生きものもそろそろでてくるので、充分に注意してフィールドワークをお楽しみ下さい!

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