観察日 : 2018年 6月29日(金)
場 所 : 大池
生きもの: カルガモ、アオサギ、スッポン
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
5月の観察で、夏はすぐそこだなと感じてから一ヶ月。この日、関東甲信で梅雨明けが発表され、あっという間に夏がやってきました。数日前から30℃近い気温と強風が続き、この日も同じような天気。風がある分、暑さは抑えられているように感じますが、一旦やむとじわじわっと汗がにじみ出てきます。
排水門付近には、コンクリートブロックの上で休むカルガモが3羽。熱そうなコンクリートの上でよく休めるものだなと思いながらスコープを覗いていると、そのカルガモの奥でシュパッと嘴を水面へ突っ込む鳥が。アオサギでした!一発で獲物(アメリカザリガニ?)を捕らえて飲み込みました。普段はじっとしている姿を見ることが多いのではないかと思いますが、こういうときはやはり素早いですね。
カルガモと獲物を捕らえたアオサギ
じっとしている姿(アオサギ)
園路を歩いていると、今度は炎天下ではなく木陰にカルガモを見つけました。暑くて日陰で休みたいカルガモもそりゃいるよなと、親近感がわきました。気持ちよさそうだなと思って観察していましたが、だんだんと2羽の微妙な距離が気になってしまい、ケンカしたのかな?などいろいろ考えてしまいました。
木陰で休むカルガモ
観察のタイムリミットも近づき、このままではネタが薄いと心にも汗をかきながら目と耳を集中させて探していると、、、出てくれました! 神様仏様スッポン様!後ろ脚を目一杯広げて甲羅干ししていました。通常カメの甲羅は鱗状で硬いですが、スッポンの仲間は、皮膚で覆うことで軽量化させ、かつ扁平なため、遊泳能力と底泥などへの潜行能力が高いのが特徴です。足にもしっかりと水かきがついており、とても泳ぎが速そうです。数年前に仕事で大分県に行った時、小川でスッポンを見つけ、石の間に隠れたのを絶対捕まえようと汗だくになって格闘したことがあったのですが、動かざるごと山の如し。踏ん張る力の凄まじさに驚きました。(結果は、私が勝利!満足して逃しました。)
日本の集団と中国などの大陸集団を別亜種とし、前者をニホンスッポン、後者をチュウゴクスッポンとする考えもあるようです。また、国内のスッポンは、養殖個体が逃げ出したのもあるため、自然個体との正確な分布も不明のようです。
もう少し近づいて写真を撮るため歩み寄ると、動きに気づかれてしまい、スッポーン!とではなく、ズルズルと水に戻っていきました。
観察を終え、日向から高架下の日陰へ。やっぱり夏場に休憩するのは風通しの良い日陰が最高ですね。カルガモさん。
甲羅干するスッポン(手前)