芝生観察日記の第八十一話です。
平成30年7月28日(土)
<~ Road to 2019&2020 ~>
ハイブリッド芝への張替え工事が終わって丁度4週目の今日、本来であればお披露目となるJリーグ(横浜F・マリノス 対 清水エスパルス)が開催される予定でしたが、既にご承知のとおり台風12号接近にともない残念ながら中止(延期)となりました。
ロシアワールドカップ開催に伴う中断後、初めて日産スタジアムで行われるホームゲームとして多くのサポーターの皆さんが楽しみにされていたことでしょう。
Jリーグのホームスタジアムとしてノエビアスタジアム神戸に続き、ハイブリッド芝2例目となった日産スタジアムですが、Jリーグ規約のスタジアム要件にあるピッチの条件として、これまでは天然芝となっていましたが、今シーズンより「Jリーグが認めたハイブリッド芝」という文言が追記されました。そして、ハイブリッド芝を採用するにあたっては以下の4項目の条件をクリアしなければなりません。
1 人工芝の割合が5%未満であること
2 スタジアムのピッチの外でテスト敷設して事前検証をすること
3 ホーム試合開催に対し、当面はバックアップになる会場を確保すること
4 相手クラブが希望すれば、当該スタジアムにて前日練習ができるようにすること
1~3の項目については導入決定のプロセスでクリアしてきましたが、最後の4については相手チーム、つまり今回は清水エスパルスが練習を希望するかどうかということでしたが、やはりハイブリッド芝には関心があるようでチームの希望通り練習が行われました。
当然、ホームスタジアムなのでマリノスも事前に練習を行いましたのでご心配なく。
さて、気になる練習後の状況は以下のような感じでしたが、やや想定外の結果となりました。
バミューダグラス系特有の削り取られるような傷が多く散在しました。想定外というのは傷ができたことです。傷自体は表面的なものなので芝を刈ってしまえば目立たなくなるのですが、ハイブリッド芝への期待が高かったため傷すらできないかと少々高を括っていました。とはいえ、凹むような傷ではなく、さすがにハイブリッド芝だなと感心する部分もありました。
残念ながら今日の試合が中止となり、ハイブリッド芝本来の効果を見極めることはできませんでしたが、傷の状況からハイブリッド芝というより芝生自体の生育が未熟だったのではないかというのが我々の見込みです。
ハイブリッド芝と言っても、人工芝は所詮3%程度しか入っていません。殆どが天然芝であるということを再認識できたという点では今後の管理の参考となりました。
今回のハイブリッド芝導入に伴い、天然芝自体をセレブレーションという芝に変更しているという点も管理上は大変重要なポイントです。
次回のJリーグは、8月15日の名古屋グランパス戦となります。3週間足らず養生期間が延びたと考えれば、芝生的には今日の中止は不幸中の幸いだったかもしれません。今回見つかった課題をクリアしながら次の試合に万全で臨みたいと思います。
毎日が勉強の日々です。