観察日 : 2020年 2月5日(水)
場 所 : 大池、草地広場、バタフライガーデンなど
動 物 : コガモ、オオバン
植 物 : オオイヌノフグリ、ホトケノザ、河津桜
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
今回は、少し気分を変えて早朝から観察にでかけました。冬晴れのよい天気で風が吹くと肌がピリッとします。大池の水面はとても穏やかです。岸辺の土が白くなっているところがあったため、霜柱が立っているのだと思って一歩踏み入れると、期待していたザクッ、という感触はなく、よく見るとガマの綿毛の種子でした。前にも同じようなことを書いたなと見返してみると、去年の1月29日でした。(生きもの観察日記304)
大池の様子
霜柱のように見えますが、、
ヒメガマの種子でした
水辺で休んでいるコガモには、朝日と水面で反射した光が当たって輝き、神々しく見えました。排水門付近にもコガモの群れがいて、こちらは泳ぎながら「ピッピー、ピッピー」と鳴き合って、とてもにぎやかな様子でした。
草地広場には、真ん中あたりにオオバン隊。修景池まわりで採食しているのをよく見かけていましたが、こんなところまで進出しているとは、ちょっとびっくりしました。じりじりと餌と安全を確かめながら行動範囲を広げているんでしょうか。オオバンの行動おもしろいですね。少し見ていると、前から犬のお散歩がやってきて、バタバタと羽ばたき走る感じでホーム?の修景池まで戻っていきました。
光が当たって輝いているコガモ / 雄(奥)、雌(手前)
オオバン隊が草地広場の真ん中あたりまで!
オオバン(別日撮影)
冬場の観察はどうしても鳥メインになってしまうので、足もとの草花にも目を向けてみました。朝は冷え込みましたが、日中は気温が上がって15℃近くなり春のよう。草っぱらで寝ころびたくなります。
朝はほとんど見られなかったオオイヌノフグリの花が、今だー!とばかりに一斉に開花して、太陽の光を受けていました。日の光によって花が開閉するようですので、みんな待っていたんでしょうね。そばにはホトケノザも咲いていました。下の花びらについている模様は、飛んでいる虫などに蜜の存在を知らせている蜜標とよばれるもの。写真では見えませんが、上の花びらにも奥へと誘導する線が入っているので、見つけたらぜひ見てみてください。オオイヌノフグリの花びらについている線も蜜標です。どうしてわざわざそんなおもてなしをしなければいけないかというと種子をつくるため。虫がやってきてくれたときに花粉が付き、別の同種の花を訪れると花粉が雌しべに付いて種子ができます。花粉の運び屋を虫にお願いしているものを虫媒花といいます。一方、これからの時期、私を含めてたくさんの人が悩まされる花粉症は、運び屋を風に頼っている植物になります。
オオイヌノフグリ
ホトケノザ
なんだか目がかゆく鼻がムズムズしてきたので話を変えて、バタフライガーデンで終わりたいと思います。ここにはチョウの吸蜜や食草になる植物がたくさん植えられていますが、ちょうど河津桜が開花しており、3輪見ることができました。河津桜は、1955年に静岡県の河津町で発見され、オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種と考えられているようです。満開まで1ヶ月ほどかかるため、これからしばらく楽しめそうですね。
バタフライガーデンの河津桜