観察日 : 2022年 10月25日(火)
場 所 : 水路付近
動 物 : タシギ
植 物 : ミゾソバ、ボントクタデ、コブナグサ、コミカンソウ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
秋も終盤。初冬の寒さになるという予報に、気おくれしていましたが、いざ公園に入るとさほど寒さは感じませんでした。風が弱かったおかげですね。
草地広場そばの水路には、白い花がたくさん。ミゾソバです。枝先に何十個もの花が集まっており、いくつか花びらが開いていました。花びらの色合いは、場所によって赤みが強いものや白が強いものなど様々見られます。
花びらの先がピンク色で可愛らしいですね。
こちらもミゾソバと同じような湿った場所に生えるボントクタデ。ボントクの由来は、葉に辛みのあるヤナギタデ(本蓼、真蓼)と比べて、辛みがなく役に立たないことから来ているようですが、私はとても好きな植物の1つです。花序が垂れている様子や、茎とつぼみの赤み、白い花がなんとも言えない美しさを感じます。
ボントクタデ
第2レストハウスそばの水路にやってきました。ここは、秋から春の時期に飛来しているタシギがよく確認できている場所の1つでもあるため、慎重に歩を進めます。上流1本目の橋までは何もなし。その橋から下手の水路の様子を見ようとしたとき、「ジェッ!」という鳴き声とともに飛翔。橋のすぐそばの階段下辺りにいたようでした。またしても先に気づかれたかと敗北を感じつつ、降り立った水路の下流の場所を目に焼き付けました。忍び足で移動し、丹念に探すもタシギらしき姿は見当たらず。合流点に突き当たったため、今度は対岸から。着地したポイントに近づき、双眼鏡で探し始めてすぐにタシギを発見。水路に高低差があり、ヒメガマやセイタカアワダチソウなどの植物が高く茂っていたおかげで、ほぼ真上からの写真も撮ることができました。
水路に潜むタシギ
この時期になると、水路の水辺には小鮒のような葉の形の植物がたくさん見られます。コブナグサです。染料とする植物として有名で、八丈島で作られている黄八丈(絹織物)の黄色は、本種からとります。低茎で刈りやすいことから刈安(かりやす)とも呼ばれています。
コブナグサの穂 フナの形のような葉っぱ
最後に紹介するのは、これからが旬の果物に見えることから名づけられた植物です。「こたつに○○○」と言えば、もう分かりますね。そう、ミカンです。実が小さなミカンに見えることから、コミカンソウと名づけられました。植物を上から見ると、オジギソウのようですが、マメ科ではなく、コミカンソウ科に属します(よく見ると葉が互い違い出ています)。実は、葉の裏側についていますので、みなさんもぜひ探してみてください。
コミカンソウ 実が小さなミカンのよう