鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園には、多種多様な生きものが生息しています。生きものを好きになり、理解を深めていただく機会として、今年度も「新横浜公園の生きもの博士になろう!2024」(協賛:株式会社春秋商事)を開催。年5回を予定しました。
今回は、木にしかけたトラップに集まる昆虫と、セミの羽化を観察しました。講師は、NPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。
観察会は、19時からスタート。日の入りは18時40分頃だったので、空が暗くなり始めてきました。夏の昆虫と言えば、やっぱりカブトムシ。園内で樹液が出ている木は少ないため、バナナトラップを作って8ヶ所に仕掛けておきました。どんな虫が集まってきているか楽しみですね。
最初にバナナトラップの作り方を紹介
出発して5分ほどで1ヶ所目のポイントに到着。念のため、スズメバチがいないかチェックしてからバナナトラップを観察。トラップの表面にはいませんでしたが、裏側にクワガタなどが隠れていることもあります。めくってみましたがダメでした。幸先よくはいきませんね。隣の2ヶ所目へ。近づいていくと何やら虫の姿が見えます。キリギリスの仲間のヤブキリと、スズメガの仲間のベニスズメでした。そして、トラップをめくると、ノコギリクワガタが隠れていました。撮影タイムの後、子どもたちはクワガタをさわってふれあいました。その後、4ヶ所目で、カブトムシのメスとコクワガタを観察することができました。
さあ、後半戦でカブトムシのオスを見ることができるのか、プレッシャーが高まってきます。5~7ヶ所目は、クヌギとコナラが生えている場所にまとめて仕掛けました。3ヶ所ともにカブトムシは来ていませんでしたが、トラップの裏側にコクワガタが数匹潜んでいました。日中、クヌギの上の方の枝にシロテンハナムグリが集まっている場所があったため、そこを見てみると、なんとカブトムシのオスがいました!網を伸ばして採集し、子どもたちは大喜び。手にのせて観察しました。そして、最後の8ヶ所目でもカブトムシのオスが!少し不安な出だしでしたが、結果的には上々の集まり具合でした。
観察の様子
ノコギリクワガタ(オス・小型)
ヤブキリ
カブトムシ(メス)
クヌギの樹液を吸っているカブトムシ(オス)
網を使って無事にゲット
子どもたちも大喜び
セミの羽化は、アブラゼミの幼虫の抜け殻がたくさんついているサクラの木や、シダレヤナギ、ハマカンゾウのつぼみでも観察することができました。アブラゼミの翅(はね)は、
焦げ茶色ですが、羽化したばかりの真っ白な色合いにみなさん見入って観察されてました。
セミの幼虫の抜け殻が鈴なりに
アブラゼミの羽化
ハマカンゾウのつぼみでもアブラゼミが羽化
次回の生きもの観察会は、10月6日(日)に秋の昆虫採集と樹名板づくりを開催します。皆様のご参加をお待ちしています。
なお、今回観察会のために特別にトラップ設置を行いましたが、普段は無断でのトラップ設置は禁止となっております。また、公園内で捕まえた昆虫は、放してあげるなどの配慮をお願いいたします。