観察日 : 2016年 6月23日(木)
場 所 : 園内水路(6号水路)
生きもの: ケラ
記事協力: NPO法人鶴見川流域ネットワーキング
ケラ
「オケラ」と聞いてピンと来る方はいるでしょうか?少なくとも皆さん名前は聞いたことがあると思います。どこで聞いたのか?最も一般的なのは童謡「手のひらを太陽に」ではないでしょうか。「ぼくらはみんな生きている~ 生きているから歌うんだ~♪」のあの童謡です。その1節の「ミミズだって オケラだって アメンボだって」に登場する生きものです。最近では生息環境が減り、出合う機会がめっきり少なくなった生きものでもあります。では、本物はどんな生きものなのでしょうか?
ケラは、ケラ科に分類される、大きく分けるとバッタに近い昆虫です。普段は、田んぼの畦や水路脇の地中で暮らしています。ですが、見た目はとてもバッタには見えません。その原因は、地中で暮らすのに特化した前脚にあるかもしれません。ケラは穴を掘り暮らしているため、前脚がモグラの前脚のような形をしています。体の形も丸っこく、モグラのようです。ただ、はねがあるという点ではしっかり昆虫として見ることができます。それから、バッタの仲間ということで、コオロギのように翅を擦り合わせて鳴くこともできます。田んぼや水路の周辺で「ジー・・・」とか「ビー・・・」と聞こえたら、それがケラの鳴き声です。もしかしたら足元にいるのかもしれませんね。
最後に、私が思うケラの一番すごいと思うところを紹介します。それは、上記のように地中にもぐるだけでなく、水陸両用で、かつ空中も飛べるというオールマイティーなところだと思います。生息場所、前脚の形等々、他の昆虫と比較すると特異な性質を持っています。
マイナーで奇妙な昆虫ですが、この記事を読んでケラを知ったという方が1人でも増えてくださると嬉しいです。