令和5年11月18日(土)に「日産スタジアムサイクルパークフェスティバル」が開催されます。このイベントは日産スタジアムを発着として新横浜公園の特設コースを走る自転車レースです。日産スタジアムと新横浜公園内を会場とした市民向け自転車レースは一年に一度だけしか開催されない、まさにお祭りです。
今回、当日のレースだけでなく、日産スタジアム周辺のサイクリングも楽しんでいただきたいと思い、日産スタジアム・新横浜公園スタッフが鶴見川沿いのサイクリングをレポートします。
<手書きMAP>
距離:約58㎞(往復)
獲得標高:470m
移動時間:約3時間(平均時速19km/h)
所要時間:約5時間
日産スタジアムのある新横浜公園は、鶴見川の遊水地ということをご存じでしょうか。台風など降雨で増水した鶴見川の水が町へ流れ出ることなく公園内に貯めることができる様になっています。そんな、鶴見川と縁の深い日産スタジアムから鶴見川の源流まで日産スタジアムスタッフがサイクリングをしてきました。
スタートはもちろん日産スタジアム。この日はウエディングフォトの撮影をおこなっていました。澄み渡った青空の下、絶好の撮影日和。どうぞ末永くお幸せに!
スタート前にトイレを済ませ、携行品やボトルの水分確認、今一度愛車のチェックを済ませ、いよいよ出発します。今回のルートですが、往路はできるだけ川沿いを走りたいと思います。
日産スタジアム目の前の幹線道路「新横浜元石川線」を第三京浜インターチェンジ方面へ進みます。
公園の上を通過して、すぐに「多目的遊水地」の交差点があるのでテニスコート脇のサイクリングロードへ入ります。多目的遊水地は先ほどの説明の通りです。ちなみに鶴見川についてもっと深く知りたい方はサイクリングロードの道を挟んで向かいにある「鶴見川流域センター」へお立ち寄りください。鶴見川の生物や地域の歴史など学べます。
サイクリングロードは歩行者優先です。ランナーやお散歩の方も多いのでスピードの出しすぎには注意しましょう。
見通しが良く路面も凹凸が少なく、走りやすい道が続きます。
この日は空気が澄んでいて大山のある丹沢山系と富士山がよく見えました。富士山が綺麗に見えると得した気分になります。
鴨居駅周辺です。河口から18.1km地点の鴨池橋を渡り左岸側に行きます。ちなみに、河口に向かって右側が「右岸」、左側が「左岸」です。左岸、さがん、サガン・・・。左岸を走るときはグリーンジャージを着た一流選手になった気分ですが、スピードはグルペットです。
この先は基本的に左手に川を見る左岸を進みます。分岐点で迷ったら本流と思われる川幅の広い方の左岸を選んでください。
途中で橋の下をくぐる「アンダーパス」をいくつか抜けて進みます。
川沿いの道には所々に河口までの距離が記載された標識があるので参考にしてください。
市ケ尾高校の裏に親水広場があります。昔ここで生き物観察をしたことがあるのですが、アユを見つけることができました。
さて、ここでちょっとだけ川から離れて寄り道します。
市ケ尾高校の正門前の横断歩道を渡りそのまま直進して突き当りを左折します。
道なりに少し進むと右手に「稲荷前古墳群」があります。
駐車場にある看板です。
古墳と言われなければただの丘と勘違いしそうです。
4世紀から7世紀頃のお墓ということなので、およそ1300年以上の時間が流れているということになります。
古墳からは大山・丹沢山系が一望できます。中央には富士山の頭が少し見えています。昔の人がここを選んだ理由がなんとなく分かる気がします。
古墳からは鉄器や管玉など出土しているとのことで、一部の考察では写真に写る大山まで玉に使用する石を取りに行ったのではと言われています。丹沢山系は海底から隆起した山で、海底で堆積した火山灰が圧縮された緑色の石「緑色凝灰岩 (グリーンタフ)」が多く取れます。緑色の綺麗な石は宝石にちょうど良さそうだなと納得します。そうすると、昔の人もすぐ近くを通る「246号線・大山街道」を何日もかけて歩いたのかもしれませんね。
古墳に別れを告げて、古墳を後ろに見て右側に道なりに少し進むと「横浜市くろがね青少年野外活動センター」があります。写真の階段は自転車では登りづらいので一旦通り越してすぐ右折すると自転車でセンターに入れます。
この施設は青少年の体験施設であり、野外炊事や集団宿泊などができる施設です。家族で参加できるキャンプイベント等開催しています。この場所は旧鉄(くろがね)小学校の跡地を利用されています。街中の喧騒から離れ、自然のゆったりした空気が流れる空間が魅力です。春になると卒業生が桜を見に訪れます。
イベント時は難しい場合がありますが、サイクルスポットとしてトイレの使用や水分補給ができます。施設の受付で声をかけてから使用させてもらいましょう。サイクルラックもありますが、この日は寝袋の物干しとして使用されていました(笑)。
パンだけでなく、パスタやピザといったイタリアンやケーキもあり、いつもどれにしようか迷ってしまいます。この日はフィッシュフライを挟んだパンとキノコのホワイトソースが入ったパンをいただきました。とても美味しかったです。
鶴川駅近くの「大正橋」は右岸が行き止まりです。左岸がアンダーパスになっているので左岸を進みます。
鎌倉街道を横切ります。写真の縦の通りが鎌倉街道です。
上流を見て鎌倉街道を左手に進むと「町田リス園」があります。うちの子どもが小さい時に一度行ったことがありますが、とにかく可愛いリスがたくさんいて、とても楽しかった記憶があります。
思い出したように標識を発見。河口から35.5km地点でした。全長が約42.5kmなので源流まで約7kmとなります。
整備の行き届いた綺麗な道が続きます。
この先に鎧堰(よろいづか)水辺の広場があります。この場所は農業用水の取水堰の跡地で地域の親水のシンボルとなっている様です。「よろい」という地名も近くをはしる鎌倉街道と関係があるのでしょうか。鎧を着て馬に乗り鎌倉に出向く武者行列を思い浮かべました。わたしも鉄の愛馬をゆるゆると進めます。
この付近はフェンスが無く親水広場みたいです。上流域に来たんだという実感がわきます。
宮川橋から先は工事中のため、右折して車道を進みます。
「図師」の交差点を左折して、57号芝溝街道を進みます。
少し進むと「図師大橋」の交差点に着きます。王道のルートだとここを右折して車道を登っていくルートですが、極力川沿いを進むため、右に横断してから再び芝溝街道を直進します。
すぐにスーパーがあるので通り過ぎたら右折します。
川沿いです。道なりに進みます。
突き当りの通り「さくら通り」に出たら左折してすぐ右折したいのですが、横断歩道がなさそうなので一度右折して交差点に出て横断歩道を渡って戻ってきます。
先ほど出てきた道を過ぎて坂の上り際を右に入ります。
この後、右側に細い道がありましたが「階段かもしれないなぁ・・・」と思い、道なりを見ると坂の気配が。ここまで坂らしい坂が無かったため、急にスイッチが入り「やっぱり坂が好き」とクライマーでもないのに坂にアタック。
なかなかの傾斜をふらふらしながらなんとか登り切りました。坂を登り切った時に思うのは「やっぱり坂はきつい・・・。けど、何か気分がいいよね!」
登り切ったら。下ります。突き当り一つ前を右折します(突き当りを右折でも大丈夫です)。
道なりに進むと突き当りが・・・川です。
コサギを発見。
この付近は蓮田が有名の様です。今度シーズンに見に来てみようと思います。
鳥居が見える直進方向に進みます。
交差点を右折します。
道なりに進み通りに出たら右折します。
すぐに横断歩道があるので渡ります。
横断歩道を渡ると目の前に川があります。川を右手に道なりに進みます。
突き当りを左折します。
少し進んで左折します。この辺りは道が狭く分かりにくいですが、迷ったら「小山田(おやまだ)小学校」を目指しましょう。
鶴見川の標識を発見。
通りに出たら目の前が「小山田小学校」です。左折して通りを進みます。左手に公園が見えるので左折します。
この公園は上小山田みつやせせらぎ公園といって、調整池としての役割があるそうです。新横浜公園と同じですね。
公園の脇を左折したらすぐ右手に緑道があります。この道も川のにおいがするので進みます。写真の左側は市民団体が地域在来種のノカンゾウ・ヤブカンゾウを育成しているとのこと、見ごろは6~7月頃だそうです。
写真は撮れませんでしたが、この先で左側に調整池に流れ込むせせらぎが流れています。
緑道はすぐに終わるので通りに戻り左折します。
突き当りがバス停になっているので斜め右方向へ進みます。
とても綺麗な里山の風景が広がっていました。
道の左手に急にトイレが現れます。このバイオトイレが見えたらゴールです。
トイレの10m位先右手に「鶴見川源流の泉」があります。目印の看板です(この角度は今までの進路と逆側、上流側からです)。
これが源流の泉です。
水が湧き出ている様子が良く分かります。1日で約1,300トンの水が湧き出ているそうです。
今まで走っていた道の側溝が鶴見川でした。
河口付近では船が行き交う大きな川ですが、たった42.5㎞でこれほど風景が変わるというのは驚きです。それだけ流域が広く支流が多いということなのでしょうか。
流域の山々に降った雨が山に保水され、徐々に湧き出た清水が集まり川となり、様々な旅を経て海に注ぎます。川は山と海を繋ぎ、海水は雲を作り、雲は雨を降らします。水は自然の中で大きな循環をしていることは教科書で学びますが、自分の足でその場所を訪れ目にして体感することで、実感が沸きます。私が飲んだボトルの水は、私が流した額の汗は、私の体を構成する水分は、ひょっとしたら以前この川を流れたことがあるかもしれません。自然との一体感を得られるところも自転車の魅力と私は感じています。
公道で行ける源流はここまでと思われます。私有地への立ち入り注意の看板がありました。話し声なども迷惑にならないように注意しましょう。
清流に心が洗われたら帰路につきます。帰りは川沿い縛りを解除して幹線道路を走行します。
源流の泉前の155号町田平山八王子線を下ります。
往路で通った「図師大橋」の交差点に突き当たったら左折して57号芝溝街道をひたすら進みます。
鶴川の駅前付近から3号鶴川街道に合流します。そのまま道なりに進みます。
緩い坂を少し登っていくと「上麻生」の交差点が見えます。
この交差点を右折して12号横浜上麻生道路に入ります。
右折しないで直進すると「柿生駅」の前に出ますので柿生まで行ったら戻ってください。
この後はしばらく道なりです。市ケ尾高校の前を通り、246号線に続き東名高速の下を横切ります。
東名高速の下を横切ったら登り坂で丘を越えます。丘越えの道は池辺市ケ尾線です。
丘を越えて下り切って少し進むと再び12号横浜上麻生道路の標識が見つかります。
「津田中学校入口」の交差点を左折します。
少し進むと「第三京浜」の標識が見つかります。
「梅田橋」の交差点を左折して140号緑産業道路に入ります。
「第三京浜入口」の交差点を右折します。
第三京浜インターチェンジをくぐると鶴見川が現れます。奥には日産スタジアムも見えます。
ゴールは目前。今日の走りを名残惜しむように左折して川沿いを進みます。
再び標識を発見。河口から14.5km地点です。川幅もかなり広くなっています。
「亀の子橋」を右折して橋を渡ります。この時は橋の歩道をゆっくり通ります。
橋の上からは新横浜公園や日産スタジアムが一望できます。ただし見るときは停車してからにしましょう。
朝スタートした日産スタジアム東ゲート付近に戻ってきました。だいぶ日が傾いていました。明るいうちに戻ってくる様な計画を心掛けたいですね。
走行距離は約58㎞でした。
のんびり一日かけて走るにはちょうど良い距離かなと思います。一部の坂を回避したり、復路も川沿いを走行したりすれば、それほど難しくないルートですが初心者の方はソロを避けて誰かと一緒に走行することをお勧めします。
また、くれぐれも交通ルールを守り安全運転を心がけましょう。