鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園には、多種多様な生きものが生息しています。生きものを好きになり、理解を深めていただく機会として、今年度も「新横浜公園の生きもの博士になろう!2024」(協賛:株式会社春秋商事)を開催。年5回を予定しました。
今回は、生きもの観察会を開始して以来、初めて大人の方を対象に野鳥観察会を行いました。講師は、NPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。
第2レストハウス前に集合して、観察スタートです。まずは、冬の時期に水路に潜んでいるタシギを観察しました。体の色合いが枯草模様なので、見つけるのがとても難しい鳥です。橋から双眼鏡でじっくりと探しましたが見つからず。水路沿いを歩いていると飛ばれて気づくことが多いようですが、飛び立つこともありませんでした。そこで、阿部さんが過去にタシギがいた場所に写真を置いて、その時の様子を解説してくれました。
水路にタシギがいるか観察してみましょう
双眼鏡でじっくりと観察中
タシギは見つからず。この場所にいたことがありました。
その時の様子はこちらから
新横浜公園生きもの観察日記381 - 日産スタジアム(新横浜公園)スタッフブログ
タシギを観察した水路の突きあたりは、別の水路と合流してT字になっています。このエリアでは、初夏に渡来するオオヨシキリが繁殖してくれるよう、夏が終わるまでアシ原を刈らずに残しています。2018年と2019年に巣を確認したときの様子を紹介しました。来年は繁殖を期待したいですね。
2019年 オオヨシキリの巣
新横浜公園生きもの観察日記323 - 日産スタジアム(新横浜公園)スタッフブログ
続いて大池の野鳥を観察しました。水面に鳥は少なく、水辺でカモが休んでいました。ハシビロガモの雄は、白い胸がよく目立ちます。観察していると、カンムリカイツブリが2羽やってきました。カモの仲間の多くは平たい嘴ですが、カイツブリの仲間はまっすぐで先がとがっていますね。
ハシビロガモ
カンムリカイツブリ
水辺に生えている植物の紹介です。ソーセージのような穂がついているガマ(蒲)が、ウナギの蒲焼きや蒲鉾の由来になっていることを話していると、上空にハイタカが出現!突然のタカに、みなさん盛り上がりました。
その後は、オオバン、カワセミ、コサギや、水路で見ることができなかったタシギを観察することができました。
ガマの説明をしていると、ハイタカが出現!
オオバンがアシをくわえて泳いでいると
後ろからきたオオバンに少し取られていました
枯れたアシの茎にとまるカワセミ
小魚を捕まえたコサギ
大池の水辺にいたタシギ
気をつけないと見逃してしまいますね
大池周辺だけでも満足できるほど観察できましたが、ここからは普段立ち入りできない場所に入っていきます。わくわくしますね。さっそく、枯れた草むらの中から、「チッ、チッ」という鳴き声。なかなか姿を見せてくれませんがアオジのようでした。スズメほど大きさで、冬の時期にやってきます。公開エリアでは見れなかったモズ、そしてハヤブサの仲間のチョウゲンボウを観察して締めくくりとなりました。
電柱にとまるモズ
最後にチョウゲンボウを観察
富士山もとてもきれいでした
最後は室内でまとめを行いました。3時間ほどの観察で28種の野鳥を確認することができましたので、上々の結果でした。歩いた距離は、3.4㎞。結構歩きましたね。天気が良く、風も穏やかでしたが、みなさん本当にお疲れさまでした。
今年度の新横浜公園の生きもの博士になろう!は終了となりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。このイベントは、日頃から新横浜公園・日産スタジアムにご協力いただいている株式会社春秋商事様にご協賛いただきました。誠にありがとうございました。