芝生観察日記の第六十二話です。
平成25年10月23日(水)
少し時が経ってしまいましたが10月19日、J1第29節、首位サンフレッチェ広島との首位攻防戦の直接対決が開催されました。播種してから19日目で初めての試合。発芽から順調に生育していた冬芝でしたが、変動の激しい気温の影響を受けて少しブレーキが掛かってしまい大切な舞台がちゃんと整うか心配しましたが、芝生は何とか期待に応えてくれました。試合もホーム、マリノスが大事な勝ち点3をもぎ取り首位に返り咲くことができ、我々も安堵感でホッとしました。
冬芝のゼブラ模様はやはり綺麗ですね。これから更に美しくなっていくので是非スタジアムに来て直接ご覧ください。ちなみに、冬芝がようやく4枚目の葉を出し始めました。
さて、上の写真ですが、芝生観察日記では初登場の見慣れない風景だと思います。こちらは、新横浜公園内にある「第二運動広場」です。少年サッカーと少年野球用として整備された芝生のグラウンドです。
皆さんは、ご存じではないかもしれませんが、新横浜公園は鶴見川に隣接する遊水地としての機能を兼ね備えた特殊な公園で、先週の台風26号など大雨が降る時に、鶴見川の水位が上昇して一定のレベルに達すると自動的に公園内に川の水が流入してくるように造られています。この機能により鶴見川流域にお住まいの市民の皆さんを浸水の被害から守る役割を担っています。
上の写真は、台風26号により鶴見川が増水して公園が浸水した状況です。
昔、広沢寅造さんの浪曲の一節に「時に暴れる鶴見川・・・」と謡われる暴れ川で、昔は大雨のたびに新横浜、小机といった周辺の地域が氾濫して家屋が浸水の被害に見舞われていたようです。
で、そういった特殊な公園に設置された運動施設は、増水して泥流が貯まった状態となり、鶴見川の水位が下がって公園内に貯まった水が引いた後は、園内全域に泥やゴミが堆積してしまいます。
そのため、このまま皆さんにご利用いただくわけにはいかないので職員総出で公園全域の洗浄や清掃を行います。上の写真は、先の第二運動広場の芝生に堆積した泥を洗い流している作業状況と洗浄前後の比較写真です。如何に汚れていたか作業効果が明らかに分かるのではないでしょうか。
こうして、大雨が降り、公園が浸水するたびに公園内の芝生を整備するのも我々グリーンキーパーの管理範囲となっています。なので、スタジアムの芝生作業がどうしても手薄になり、悩ましいところです。
そして、また今週末には台風27号と28号が接近しています。また悩ましい週末となりそうです。
次回はスタジアムの状況が報告できますように。