芝生観察日記の第七十八話です。
平成29年10月10日(火)代表戦でフィールド上に・・・?
皆さんこんにちは。大変ご無沙汰になってしまい、申し訳ありません。
先日、2年ぶりに日本代表戦(日本vsハイチ)が行われました。試合は3-3のドローに終わってしまい、少し残念な結果となってしまいましたが、結果以上に『うん?』『何だ?これは?』と多くの方が思われた出来事があったと思います。
それは、ホーム側センターサークル脇に謎の文字(下段写真)
遠目には八の字状に見える傷跡
ターン跡は擦り切れて裸地化した部分も
実はこれ、前日の公式練習で出来てしまった傷跡なのです。選手たちがウォーミングアップで隊列を組んで数十分間グルグルと走り続けたため、擦り切れてしまった跡です。選手たちも徐々にスピードを上げて走るためターンする角は場所によって芝生がほとんどなくなってしまった部分もありました。
ご存知の方も多いと思いますが、日産スタジアムの芝生は『夏芝』と『冬芝』を併用して使用しています。現在の芝生はベースとなっている『夏芝』も緑色を呈していますが、9月上旬に蒔いた冬芝の種子が生え揃い始めて徐々に表面が『冬芝』で覆われ始める時期になっています。とは言うものの、まだ芽吹いてから1ヶ月ほどしか経過していない冬芝のため、選手たちのターンに耐えられず擦り切れてしまいました。ちぎれてしまった芝生は回収し、刈込みも行いましたので、表面は綺麗になりましたが、減ってしまった芽数は増やすことができず、照明の光が当ることで黒ずんで見えてしまったということになります。直線的なダッシュだけであれば、その部分を張り替えてしまうことも出来たのですが、八の字状に曲線で擦り切れてしまったため、張り替えることもできず。あのような形で皆さんの目に触れる結果となってしまいました。
でも、ご安心ください。週末のJリーグ(横浜FMvs大宮アルディージャ戦)では、この傷跡が目立たなくなっていたと思います。何をやったかといいますと、『張替え』を実施しました。別に用意してある状態の良い芝生と入替えを行って傷跡が判らないようにしたのです。
前記したように、曲線状の傷だったので、全部綺麗に張り替えることはできませんでしたが、特にすり切れの激しい部分は綺麗な芝生に差し替えを行いました。本来は利用に耐えられる強い芝生を造らなければならないところなのですが、やむを得ず張替えという最終手段を駆使して改善を図りました。
これからも皆さんに喜んで頂ける芝生の提供に努めたいと思いますので、暖かく見守って頂ければ幸いです。
芝張替え後。曲線なのでくの字になっています。
10/14Jリーグ戦当日のセンターサークル脇かなり判らなくなったと思います。