新横浜公園生きもの観察日記288

観察日 : 2018年 5月26日(土)

場 所 : 園内3号水路、大池周辺

生きもの: ミシシッピアカミミガメ、アオダイショウ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 暑い日が続き、生きものたちの動きがだんだん活発になってきました。特にこの時期に見かける機会が多いのが、カメやトカゲ、ヘビといった爬虫類です。生態がよく理解されず、嫌われがちな生きものたちですが、新横浜公園内で見かける機会の多い2種類を紹介させていただき、彼らに対する誤解を少しでも取り除ければと思います。

 まずは、最近あちこちで見かけるようになった、「ミシシッピアカミミガメ」です。

DSCF1814.jpgミシシッピアカミミガメ

DSCF1822.jpg 息継ぎで顔を出した別個体

 「あー、また見つけた・・・。」毎年この時期になると、公園内の池や水路、時には園路でも見かけるこのカメ。目の後ろに鮮やかな赤い模様が入るのが特徴です。幼体の頃は甲羅をはじめ、体全体が鮮やかな緑色をしているため、一般には「ミドリガメ」の名で親しまれているカメです。

 しかし、大きくなるとどのぐらいの大きさになるかご存じの方はわりと少ないかと思います。大切に飼育してあげると、なんと甲羅の縦の長さ(甲長)だけで30cmを超えることもあります。大きくなるにつれ、鮮やかだった緑色は暗いオリーブ色になり、どんどん黒っぽくなっていきます。

 しかも、性格もやや荒いです。「でかい・地味・凶暴」と3拍子揃った結果、小さいうちは飼育できても、大きくなると持て余してしまう飼い主の方が増加しました。

 更に、サルモネラ菌を保菌しているという報道もあり、多くのミシシッピアカミミガメが近所の池や川などに捨てられ、繁殖し、テレビなどでよく話題にされるように、大変な悪者であるかのような扱いを受けているという残念な現状があります。

 もし今、ご自宅でこのカメを家族の一員として飼育されている方がいれば、無責任に捨てたりせず、飼育下で彼らの生涯を全うさせてあげて下さい。自分で飼えなくなってしまったら、里親になってくれる方や引き取ってくれる方を探してみてください。それが、彼らから少しでも「癒やし」を提供してもらった飼い主のとるべき行動と思います。

 やや湿っぽい話題になってしまいましたが、続いては、新横浜周辺で最もポピュラー(?)なヘビ、「アオダイショウ」です。


DSCF1847.jpgアオダイショウ (ゆうに1mは超えていました)

 新横浜公園をはじめ、その周辺でも出会う機会の多いヘビの1種。それがこの「アオダイショウ」です。主にネズミやカエルなどをエサとします。そのため、昔は家に出たネズミを捕食してくれることから、家の守り神として大切にされていました。また、山口県岩国市の周辺では全身白色・赤目のアルビノ個体が多く、これらは神の使いとして現在でも大切にされており、国の天然記念物に指定されています。しかし、神の使いとはいっても、ヘビはヘビです。毒は持っていませんが、不用意に触ったり、刺激すると噛まれることもありますので、万が一見つけても、つかまえたりしないで下さい。「触らぬ神に祟りなし」です。

 そろそろ梅雨に入ります。蒸し暑い日が多くなるので、熱中症に注意して、無理をせず、安全にフィールドワークをお楽しみ下さい!

アオダイショウほか.jpg