観察日 : 2020年 4月28日(火)
場 所 : 大池、水路付近
植 物 : ハルジオン、オオジシバリ、ユウゲショウ、サクラソウ、ハナウド
動 物 : ツグミ、スズガモ、ハシビロガモ、コガモ、オオバン、セイタカシギ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
外出自粛により、室内で過ごす時間が多くなると、気温を肌で感じる機会が減り、季節の変化を感じることも少なくなりますね。前回の観察から約1ヶ月、サクラは葉桜になりましたが、足もとの野草はたくさん花を咲かせていました。
一面に広がるハルジオンの花
オオジシバリ(キク科)
ユウゲショウ(アカバナ科)
大池の岸辺はハルジオンのお花畑。他には、タンポポに似たオオジシバリやマツヨイグサの仲間のユウゲショウなどが見られます。遊具広場近くの水路では、サクラソウが咲いていました。「新横浜公園に桜草の水辺をつくろうプロジェクト」として横浜さくらそう会さんが主体となって10年以上活動されていたものを、昨年度より小机小学校さんが主体となり、地域のみなさんと協力してお世話をされています。
サクラソウ(サクラソウ科)
野球場そばにあるバタフライガーデンの裏手は、大人の背丈以上に成長したハナウドが白い花を咲かせて満開の様子でした。鶴見川の上流域から下流域にかけての川辺でも同様にハナウドを見ることができます。セリ科の植物で、キアゲハの食草になっています。
ハナウド(セリ科)
白い小さな花をたくさん咲かせます。
大池の野鳥は、この冬も多くのカモの仲間などがやってきて賑わっていましたが、100羽以上いたオオバンは30羽ほど、冬鳥のカモの仲間はスズガモとハシビロガモ、コガモが数羽のみで、種類も数も大分減っていました。広場の方では、ツグミを6羽見かけました。これらは冬鳥ですので、今シーズンはこれで最後になるでしょう。繁殖を終えて来シーズンやってくるまでのしばしのお別れです。
オオバン(クイナ科)
スズガモ(カモ科)
コガモ(カモ科/左)とハシビロガモ(カモ科/右)
ツグミ(ヒタキ科)
別れもあれば出会いもあり。春は旅鳥に出会える季節でもあります。旅鳥は、春と秋に渡りで日本を通過する鳥で、シギやチドリの仲間が代表的です。大池でカモやオオバンの様子を観察しているとスリムで足の長い鳥が飛来して対岸で着地。セイタカシギでした。本種は、旅鳥または留鳥で、東京湾岸では繁殖記録があります。旅鳥で通過中の個体か留鳥の個体かは分かりませんが、やってきてくれたことが嬉しいですね。
5月上旬になると夏鳥のオオヨシキリが渡ってきます。水辺のアシ原などで「ギョギョシ、ギョギョシ」という特徴的な大きなさえずりが聴かれます。次回の観察日記に登場するかご期待ください。新型コロナウイルスの感染を広げないよう、野外でも密集、密接、密閉(テント等)の状況をつくらないよう気をつけていきましょう。
セイタカシギ(シギ科)
長い足が特徴なのですが、半分以上が水中に入っています。