新横浜公園生きもの観察日記346

観察日 : 2020年 10月16日(金)

場 所 : 水路周辺

生きもの: コムラサキ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ

記事作成: 横山 大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 ついこの間まで25℃を超えるような気温の日が続いていましたが、ここ数日は一転して冬のような寒さ。朝夕の冷え込みが厳しくなってきたので、なかなか生きものたちの動きを見るのが難しくなってきました。ですが、今日は気温が19℃まで上がり、水路沿いでチョウたちが姿を見せてくれたのでそちらをご紹介したいと思います。

 水路周辺を散策していると、5mほど先の枯れ葉に1匹の茶色っぽいチョウがとまりました。よく見てみると、「コムラサキ」のメス。ヤナギ類を食草とするタテハチョウの仲間でした。

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コムラサキのメス(オスは名前の通り紫色の翅を持っています)

 

 夏場は公園内のクヌギやヤナギの樹液酒場にカブトムシやカナブンと一緒になって集まっているのをよく見かけます。写真の個体以外にも近くで5匹ほどメス個体が見られました。水路脇の泥地に給水しに来ていたものと思われます。

 コムラサキの写真を撮っていると、近くの枯れ葉の上に別のタテハチョウがとまりに来ました。コムラサキと比べると、全体的に黄色みが強く、翅の縁がギザギザしています。 正体は「キタテハ」というタテハチョウの一種でした。

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キタテハ

 

 幼虫はカナムグラというつる草をエサにするため、都市部の川沿いや公園、山地と広く見られます。もちろん、新横浜公園がある鶴見川の流域内でもよく見られます。翅の表は綺麗なオレンジ色をしていますが、裏側は枯れた木の葉そっくりの色・模様のため、翅を閉じていると見つけるのはなかなか大変です。

 今日は次から次へとチョウが飛んできました。キタテハの写真を撮っていると水路の対岸にまた別のチョウがやってきました。今度はオレンジ地に黒の斑点でヒョウ柄です。「ツマグロヒョウモン」のオスでした。こちらも、タテハチョウの仲間ですね。

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ツマグロヒョウモンのオス

 

 メスは名前の通り、翅の褄(つま)が黒くなります。オスは翅全体がヒョウ柄です。幼虫は公園や街中の花壇等にも植栽されていることの多いパンジーやビオラといったスミレ科の葉を食草とするので、キタテハと並んで都市部でも見かける機会の多いチョウの一つです。

 最後に少しだけ、大池の周りを観察してみました。すると、ここにもいました。茶色っぽいチョウ。「イチモンジセセリ」というセセリチョウの仲間です。

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イチモンジセセリ

 

 新横浜公園にはチガヤやエノコログサが多く生育しているので、幼虫がイネ科の植物を食べるイチモンジセセリにとっては暮らしやすい環境になっていて、今日ご紹介したチョウの中では見かける機会が最も多いかもしれません。

 今回の記事に載せさせていただいたチョウたちですが、色合いのせいでガと勘違いされることが多く、虫の苦手な方に驚かれている場面を過去に何回か見かけました。ですが、どれも毒などは無いのでご安心ください!

 これから徐々に冬に向けて生きものたちの様子が変わっていきます。防寒、新型コロナ対策等、十分に気を付けてお過ごしください!

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