芝生観察日記の第百十五話です。
令和三年1月 8日(金)
<~ Road to 2019&2020 ~>
皆さん、新年あけましておめでとうございます。
まさか新年早々に緊急事態宣言が発出されるとは思いませんでした。今年も新型ウイルスとの戦いが続きそうですが、皆さんで力を合わせて苦難を乗り切り、延期されている東京2020オリンピックが開催できる世の中になって欲しいと切に願います。
1月7日(木)、緊急事態宣言発出に揺れる慌ただしい状況でしたが、日産スタジアムの芝生管理もJリーグの開幕、そして東京2020オリンピックに向けて始動しました。
まずは、年末27日に掛けたワリフシートを10日ぶりに撤去します。年末は比較的穏やかな陽気でしたが、年明けは寒波の影響により厳しい冷え込みで氷点下の朝が続いています。しかし、昨日は氷点下の朝にならなかったので霜が降りず、シートを剥がすのも比較的楽でした。
作業開始時刻は8時ですが、フィールドはほぼ日陰で寒々しい中での作業となりました。天気は曇りではありません。快晴下でも陽が当たらないのが屋根付きスタジアムの宿命です。
シートを剥がし、10日ぶりの刈込みを18㍉で行いました。朝の冷え込みは厳しいものの、日中は比較的高めの気温が続いた年末年始だったのでシートで保温された冬芝は順調な生育を見せました。
天皇杯やルヴァンカップの両決勝戦が行われた国立競技場に負けない素晴らしいコンディションです。
年末に見られた病斑のような芝の褐変跡は、さすがに氷点下が続き、菌の活動が停止したようで進展は見られなかったため様子を見ることとしました。
作業は刈込み後、液肥を散布し、再びワリフシートを掛けて養生に入る予定でしたが、南岸低気圧の影響により各地で被害をもたらした強風は、ここ日産スタジアムがある新横浜公園でも吹き荒れて、台風並みに16m/Sを超えました。シートが風に煽られ危険性が懸念されたため見送ることとしました。
刈込み、液肥、シートという一連の作業をルーティンとして繰り返し、Jリーグの開幕に備えますが、既に発表の通り3月25日にはFIFAワールドカップカタール大会に向けた2次予選、日本代表VSミャンマー代表の試合も控えています。日産スタジアムでワールドカップ予選が行われるのは、実に2009年の南アフリカ大会に向けた最終予選、日本代表VSカタール代表戦以来12年ぶりとなります。
新型ウイルスの動向が気になるところですが、気を引き締めて最高の舞台を整えたいと思います。
今年も、どうぞよろしくお願い致します。