観察日 : 2016年 12月9日(金)
場 所 : 大池
生きもの: オギ、アシ、コガモ、ミコアイサ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
鳥の紹介が多かったので、今月は植物を紹介します。今日は風がとても強く、綿毛の種子がたくさん飛んでいました。その多くはオギの種子。オギは、水辺に生える大型のイネ科植物で9月頃になると銀色の穂をつけます。英名ではamur silver grassといいます。特徴をとらえていて分かりやすいですね。漢字では、「荻」と書き、成り立ちについてはよく分かりませんが、オギの穂が、獣の毛が火をふくように見えることからそうあてられたのかなと想像してしまいます。ススキとよく似ていますが、オギは、湿った場所に一面に生え、穂が銀色であるのに対し、ススキは、湿ったところには見られず、株立ち、穂が黄色っぽく見えることなどで見分けることができます。
アシも水辺を代表する植物でイネの仲間。オギよりも水辺に近い場所に見られ、穂はくすんだ色合いです。アシを利用した身近なものは、夏にホームセンターでよくみる葦簀(よしず)。アシの茎を束ねて作った葦舟は、最も原始的な舟とされています。
冬の川辺は、本来、こういったオギやアシが枯れて茶色い風景が見られますが、近年、緑になっている場所も増えてきました。鶴見川ではこの多くはネズミホソムギという外来のイネ科の牧草です。冬は青々として、5月に開花するのですが、花粉症の原因となります。気になる方はこの時期の川辺近くの散策はご注意ください。
来年は酉年ですので、少しだけ鳥の紹介も。常連ながら紹介できていなかったコガモは、9月下旬から見られはじめ、5月上旬まで観察することができます。日本では最も小さいカモの仲間です。ミコアイサは、コガモよりやや大きいカモの仲間で同じく冬鳥。この場所ではほとんど見たことがなかったため、うれしい確認でしたが、メス1羽だったため、仲間はどこに行ったのかちょっと気になりました。オスは、パンダのような模様をしているので、パンダガモと呼ばれたりもしています。新年1月はいい鳥ネタがご紹介できればいいなと思っています。