水と緑が豊かな環境を持つ新横浜公園は、多種多様ないきものが生息しています。中には珍しいいきものも生息しており、そんな多種多様な新横浜公園のいきものを地域の方々に知っていただく機会として、「新横浜公園四季折々のいきもの観察会」を2年前より開催しています。
このイベントでは年5回の観察会を予定しており、今年度は株式会社春秋商事様のご協賛により成り立っています。また、特定非営利活動法人鶴見川流域ネットワーキング(以下、TRネット)さんに講師を依頼しています。その第1回目となる「初夏の野鳥と草花をさがそう!」を6月3日(土)に開催しました。
TRネット阿部さんから双眼鏡の使い方の説明や諸注意の後、観察会スタートです。
歩き出してすぐに、「ツメクサ」を発見しました。
ツメクサは種類により、ツメクサ(詰草)とツメクサ(爪草)と名前の由来が違うそうです。
・シロツメクサ(詰草)・・・江戸時代にオランダから長崎に輸入されるガラス製品の梱包材(詰め物)として使われたのが由来とされています
・ツメクサ(爪草)・・・葉の形が鳥の爪のような形をしていること、切った爪に似ていることなどが由来とされています
ツメクサについて解説中
次に、草地広場そばの池でカルガモとミシシッピアカミミガメに出会いました。カルガモは水面を気持ちよさそうに泳いでおり、ミシシッピアカミミガメは甲羅干しをしていました。
カルガモとミシシッピアカミミガメ
しばらく歩いていると、キアゲハ(アゲハチョウ科)の幼虫に出会いました。見た目が鮮やかな昆虫に参加者からは歓声があがっていました。
キアゲハの幼虫
続いては水路の自然回復体験です。ヨシが繁茂する場所はヨシ原に営巣する野鳥のオオヨシキリにとって重要になりますが、近年そういった場所は減ってきています。新横浜公園内の水路の一部では、オオヨシキリの繁殖を目指していますが、このヨシ原にはまだセイタカアワダチソウという外来植物が入り込んでいます。セイタカアワダチソウは、他の植物の生育を阻害する物質を根から出すことで、生育範囲を拡げていきます。そのため、根からしっかり抜き、ヨシの群落を広げるための作業を行いました。参加者全員とスタッフで15分行っただけの作業ですが、大分すっきり除草できました。
セイタカアワダチソウを見分けて引き抜く多自然型管理を体験中
たくさん抜きました!
今回は初夏らしい陽気の中での観察会となり、作業をすると少し汗をかくほど気温も上がりました。オオヨシキリは観察できませんでしたが、多くのいきものを観察することができました。来年はオオヨシキリを観察できるよう期待しましょう!